もっと生きやすい社会を。もっと環境に優しい生活を。そう願う人々が、世界のあちこちでプロジェクトを立ち上げています。技術革新が生み出した新素材や新商品、人の行動を変える社会の仕組みづくりなど、世の中を変えていこうとする世界のアクションを紹介します。
bureo(チリ)
海と漁師を救う、
漁網を再利用したアウトドアグッズ
海で廃棄された漁網は、海を漂うプラスチックごみの半分近くを占めている。そんな現実に着目した3人のアメリカ人によって、チリの〈ブレオ〉は誕生した。廃棄された漁網を回収し、それらをアウトドア好きのための高品質な製品へと転換。2013年に設立以来、36万kg以上の漁網がリサイクルプラスチックに再生されている。
この取り組みに欠かせないのが地元漁師たちの協力。コミュニティと連携を図りながら、漁網をリサイクルする意義を共有し、さらに漁網の回収、再生、製品化、廃棄物管理のインフラを整備することで地域全体での意識の底上げを行っているのだ。
低収入な漁師たちは漁網を回収し〈ブレオ〉に売って副収入を得るだけではなく、売り上げの一部は非営利団体に寄付され、漁師と海洋、両者にとってサステナブルな経済と循環システムを構築するための費用にあてられている。また教育機関やNPOと共に海辺のクリーン事業を行うなど、業界の垣根を越えて海洋環境の改善に積極的だ。
bureo
bureo.co
ethique(ニュージーランド)
浴室をプラスチックフリーに!
ボトル約3本分の固形シャンプー
再生プラスチックを活用した商品を積極的に選ぶのも大切だが、何より最初にできることは、プラスチックごみそのものを出さないよう心がけること。ニュージーランド発の固形シャンプー〈エティーク〉は、原料からパッケージまで全てがサステナブル。
ココナッツオイルやカカオバターを独自の方法で固めてシャンプーバーを作り、生分解性のある素材を用いてパッケージすることで、シャンプーやコンディショナーなどの液体商品に多用されるプラスチックボトルを徹底的に排除している。
シャンプーバーは泡立ちもよく、洗い上がりも艶やか。固形バーひとつに350mlのボトル3本分とほぼ同じ美容成分が凝縮されているのも嬉しい。〈エティーク〉は、2012年の創立から、500万本のプラスチックボトルが製造廃棄されるのを防いでいる。2025年末までに、さらに5000万本のプラスチックボトルの製造廃棄をなくすことがブランドの目標だ。
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ethique.com