コロナ危機に揺れる銀行が、いよいよ「預金のマイナス金利」に踏み込む…? photo/iStock

日本の銀行、いよいよ「預金のマイナス金利」に踏み込むかもしれない…!?

コロナと株価と銀行…本当に起きること

1929年の世界大恐慌、日本の不良債権問題、リーマンショック…。かつての経済危機では、いずれも株式市場の急落が、実体経済の悪化に先行して危機を顕在化させてきた。しかし、今回のコロナショックでは、3月に急落局面があったものの、足元の日経平均株価は2万2000円を上回る局面もあるなど、不気味な小康状態を保っている。

これは「これからくる暴落」の予兆なのか、それともこのまま安定を保っていられるのか、そもそも銀行など金融機関はこれから生き残っていけるのか――。

今回、新作小説『よこどり 小説メガバンク人事抗争』で銀行の在り方について独自の切り口で迫った作家の小野一起氏が、メガバンクの現役幹部、元日銀幹部など金融の最前線を知る銀行員たちと緊急対談。「日経平均株価は1万4000円台が妥当」「底値はまだまだ先にあるかもしれない」「銀行が『預金のマイナス金利』に踏み込む可能性が出てきた」など……銀行員たちが次々と驚くべき本音を明かした。

6月1日の東京株式市場では日経平均が2万2000円の大台を回復した photo/gettyimages
 

日経平均は「1万4000円台」が本来の姿…!?

小野 コロナショックを分析する際に、非常に不可思議なのが市場、特に株式市場の動きです。これまでの経済危機は株式市場の急落が危機の発信源でした。しかしコロナショックでは、市場は不気味な小康状態を保っています。

過去の経済危機を考えると、1929年の世界大恐慌ではニューヨーク株式市場の大暴落から経済危機が勃発しました。1990年代後半のバブル崩壊にともなう日本の不良債権問題も、東京株式市場が低迷。不動産バブルに踊った流通、建設、不動産、そして銀行の株が売りを浴びた。

しかし、今回のコロナショックでは、3月に一度、急落を演じた後は急速に回復、安定した水準での取引が続いています。いったいこれはなぜなのか。皆さんは、どう分析していますか。

メガバンク部長A(50代) プロのエコノミストの人たちは、コロナショックが実体経済の深刻な悪化を招き、銀行の経営を揺さぶる金融崩壊を招きかねないと懸念しています。

企業収益の先行きは簡単には見通せませんが、コロナショックが大企業の利益に与えるダメージを考慮に入れると、本来は日経平均株価はせいぜい1万4000円レベルが妥当な水準だと思います。そう考えると、日経平均株価が2万円2000円を上回る水準は、とても正当化できません。

つまり、現在の株式市場はマーケットの価格形成機能が狂って誤ったシグナルを発しているのか。それとも、エコノミストの分析が間違っているのか。結論はどちらか一つです。