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インバウンドも爆買いも「もう二度と戻らない」という現実を受け入れよう

大きな発想の転換が必要だ

Go Toキャンペーンの「ある噂」

5月下旬、世界各地でSNSを通じて、ある情報が駆けめぐった。筆者のもとにも複数の国の在住者から問い合わせがあったが、それは「日本政府が外国人の旅行費用の半額を負担するというが、本当か」というものだった。

内容をみるかぎり、情報の出どころは日本の英字紙のようだった。

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すべての都道府県で緊急事態宣言が解除された5月25日、政府は観光業や飲食業の需要喚起策「Go To キャンペーン」を発表した。約1兆7000億円の予算を割り当て、7月下旬から「県内の移動を対象」に、そして8月以降は「県をまたぐ移動も含めた全国を対象」に、国内旅行の代金の半額を補助(1泊あたり最大2万円)したり、飲食店向けのプレミア付き食事券を発行するなどの内容だ。

英字紙の記事は、5月20日の日本政府観光局(JNTO)の定例会見で、今年4月の訪日外国人数が前年同月比99.0%減の2900人となったと発表されたことをふまえて書かれていた。もっとも、すでに3月の訪日外国人数は前年同月比93%減とほぼ壊滅だったことは報じられていた。島国である日本で、空路・海路の入国制限をすれば人の流入が止まるのは当然である。

政府が統計を取り始めた1964年以来、訪日客数は最少であると記事は伝えていた。統計史上最大の落ち込みが強調されたゆえに、海外の人たちは先の情報に説得力を感じたのだろう。しかし、旅行費用の半額補助は国内に限られている。記事はその後、修正されたようだった。