家で、職場で、淹れたてのお茶を飲みたくなったら、自分でお茶を淹れてみませんか。せっかく茶葉と急須で淹れるなら、見様見真似でなんとなく、ではもったいない。ポイントを押さえれば、だれでもおいしいお茶が淹れられます。

●教えてくれた人
蒲南茶荘 店主 鈴木和貴さん
創業1927年、東京・蒲田で4代続く日本茶専門店。東京一火入れの強い“超深蒸し茶”のみを扱い年間を通じて安定した品質の茶葉を良心的な価格で提供する。☎0120-731-734

お茶の淹れ方、キホンのキ

お茶は、茶葉によって、適量や湯温が微妙に違います。本題に入るその前に、どの日本茶を淹れるにも共通の、基本の知識を覚えましょう。

〈基本1〉水道水は沸騰させてから
日本のお茶に合うのは日本の軟水。水道水でもミネラルウォーターでも構いません。水道水は浄水器を通すか、カルキ(塩素)を飛ばします。電気ポットの場合はカルキ抜き機能を使い、やかんを火にかける場合は、沸騰したら蓋をずらして3分以上沸騰を続けること。ちなみに、硬度の高い国の水では、おいしく淹れられません。

〈基本2〉湯と茶葉は適量を

嗜好品ですから多少の増減は構いませんが、まずは基準となる適切な量で淹れたお茶の味を覚えましょう。ちなみに、開封後の茶葉は冷暗所で保管し2カ月以内に使いましょう。

〈基本3〉茶葉によって湯温を変える
お茶の成分のうち、甘みや旨みを感じるアミノ酸は低温でも高温でもよく出ますが、渋みや苦み成分であるカフェイン、カテキンは、低温ではあまり出ず、高温になるほど出ます。湯温には、その茶葉に含まれる成分をおいしいバランスで浸出させる意味があるのです。

湯を容器に移すたび7~10℃下がる。電気ポットの湯が90℃なら湯呑みに注ぐと約83~80℃、湯呑みから急須に移すと76~70℃に。容器に移した際、容器に湯の温度がしっかり伝わってから注ぐ。
ほうじ茶や玄米茶など熱湯を使って淹れるお茶の場合は、電気ポットややかんから直接お湯を注ぐ。

〈基本4〉複数杯を淹れるときは回し注ぎ

日本茶は、急須の中で成分が浸出しきる前に注ぎ始めます。そのため、均等に注ぐことが必要に。3人分を淹れる場合、写真の湯飲みの左、右奥、手前、手前、右奥、左、左、右奥、手前 ……の順に淹れると濃さが揃いやすいのです。ちなみに、一煎目の最初は、浸出が十分でないため、一気に注がず3~4回に分けて注ぎます。

〈基本5〉最後の一滴まで注ぐ

これは、急須の中で茶葉が湯に浸っている間は成分が浸出し続けるため、最後はうまみが濃く出ることと、急須の中に湯を残したままだと二煎目がおいしく出ない、というふたつの理由があります。最後の一滴をゴールデンドロップと呼ぶことからも大事な工程です。