ナゼ?「なでると軽くなり、叩くと重くなる」不思議な石の正体

実際に奈良まで行って確かめた
小林 公夫 プロフィール

しっかり心をこめて撫でましたか?

狐につままれたような気分のまま、ともかく住職にお話を聞くことにした。

住職の岡田悦雄さんは、創建1300年余の歴史を持つ龍泉寺の、実に第57世にあたる住職だ。若くして京都の真言宗のお寺で修行を積み、10年ほど前、父親を継いでこのお寺の住職となった。

間髪を入れず、私は尋ねてみた。石を撫でてもさほど変わらなかったが、叩いたら明らかにずしりと重く感じた、という話を切り出したのだ。すると住職は、落ち着いた口調で諭すようにこう仰った。

「撫でる時、赤ん坊を抱くときのようにしっかり心をこめてなさいましたか?」

龍泉寺の岡田悦雄住職
 

これには答えに詰まってしまった。そこまでの気持ちは込めていなかった。むしろ、できるだけ冷静を保って客観的に、いや疑心暗鬼も入り混じり、訝りながら私は石を撫でていた。

「ご参拝いただく方の反応も様々です。噂どおり、撫でれば軽くなり、叩けば重くなったという方もたくさんいらっしゃいます。でも、どちらか一方は感じるけれど一方は感じないという方や、どちらのケースでも何も変わらないという方もいらっしゃいます。そうした時には、気持ちを込めてもう一度お試しくださいとお話ししています」