ここからが検証である。まずは撫でてから持ち上げてみることにした。なでなで、すりすりと全体をくまなく撫でて、ゆっくり持ち上げてみる。
うーん? あまり変わらない気がする……。
仕切り直しだ。もう一回、撫でも叩きもせずに「素の重み」を感じてみる。静かに戻す。そして、再度なでなで、すりすり、全体をくまなく撫でてゆっくりと持ち上げてみる。
うーん。やはり目立った変化は感じられない。軽くなったと言えば、そう感じるかもしれないという程度だろう。
私は少し残念な気持ちを抱きつつ、次の検証に移った。まず、基準となる「素の重さ」を感じた後、今度はパシパシ・パンパンと石の表面を何度も叩いて、その後にゆっくり持ち上げてみたのだ。
「えっ?ウソだろ?」 私は思わず声を上げてしまった。
重い。明らかに石は重さを増していたのだ。傍にいたカメラマンに 「気のせいではないか」と言われ、もう一度石を叩いてから持ち上げてみる。不思議だ。最初に確認した「基準の重さ」と比べて、石は明らかにずしりと重くなっているように感じられたのである。