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ナゼ?「なでると軽くなり、叩くと重くなる」不思議な石の正体

実際に奈良まで行って確かめた

その名も「なで石」

はじまりは、あるテレビ番組を目にしたことだった。夜、何気なく観ていたバラエティー番組の中で、不思議な石が紹介されていた。

その石は “なで石” と言い、なんでも撫でてから持ち上げると軽くなり、叩いてから持ち上げると重くなるのだという。奈良県吉野郡天川村の龍泉寺の境内に置かれているというその石に、妙に魅かれたというのが事の始まりであった。

幼少の頃から不思議な現象に興味があった。寺田寅彦の随筆集に出てくる、「自然現象の不思議には、自分自身の目で脅威しなければならぬ(=驚かねばならない)」という言葉にも強く背中を押された。

龍泉寺
 

早速、Google mapで奈良県吉野郡天川村を調べてみた。一見すると、周りを山々で囲まれた険しい土地のようだ。近くを国道309号が通っているものの、どのようにアクセスすれば良いのか皆目見当がつかなかった。

まずは天川村の役場に連絡しアクセスを聞いてみた。東京からの道のりを尋ねてみると、予想通り容易ではないルートであった。東京から京都まで「のぞみ号」で2時間15分、そこから近鉄京都線の特急に乗り橿原神宮駅まで1時間、更に乗り継いで近鉄吉野線の特急で飛鳥駅など情趣あふれる駅を通過し、下市口駅まで40分。

これで終わりではない。ここから日中は2時間に1本しか運行しない奈良交通のバスに乗り換え洞川(どろがわ)温泉の停留所まで1時間強という道のりである。行くだけで半日はかかってしまいそうだ。

ただ前取材として、電話で天川村役場の担当者の話を聞いているうちに、私は村の持つ神秘性に魅かれていった。この村には、龍泉寺のなで石に象徴されるような神秘的な話がいくつかあるのだという。