「ワークマン」VS「ノースフェイス」、新時代のアパレル覇者を占う

ウィズコロナの時代で勝ち残る方法
磯部 孝 プロフィール

特定のイメージに縛られない強さ

28年前と今日のノースフェイスの違いは、ゴールドウィンの主導性にあったという事を指摘してみたが、もう少し具体的な例も取り上げてみたい。それは今日のノースフェイスは“オールラウンドブランド”に展開できているという点だ。

1992年のノースフェイスブームは、『ヌプシジャケット』というダウンジャケットブームで終わってしまっていたのが、今回は冬のダウンジャケット以外のシーズンにおいても、しっかりとした物作りとプロモーションでファン獲得に成功しているように見える。

今日のスポーツ&アスレチック人気を背景に、コンプレッション商品からアウトドアデザイン商品まで、品揃えのバリエーションの豊富さがファンの年齢幅を広く集客できている。

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また、登山やトレッキングやトレイルランとマウンテンスポーツの楽しみ方も多彩に広がっていることも影響していると考えられる。手軽なアスレチックスポーツからアウトドアまで楽しみ方が多彩になるにつれ参加者も増え、特定のスポーツイメージに縛られ過ぎていないことも、飽きられず人気が保てている理由だろう。

少し大げさな表現とするとナイキ、アディダスといったトータルスポーツブランドに近寄っているとも言えるかもしれない。

これからのノースフェイスは「コロナショック」が与える不況時代の幕開けに向けて、未開拓な競技、カテゴリーに開発商品を投入してブランド領域を広げていくのか。はたまたレディス、キッズの構成率を高めていくのか。ブランドイメージを損なわず、いかに展開していけるのかが腕の見せどころとなりそうだ。

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