「ワークマン」VS「ノースフェイス」、新時代のアパレル覇者を占う

ウィズコロナの時代で勝ち残る方法
磯部 孝 プロフィール

ブーム再燃のきっかけ

そのゴールドウィンの好調さを牽引しているのは、云わずと知れたノースフェイスによるところが大きい。

売上高構成比の8割近く(79.6%)を叩き出しているアウトドア関連カテゴリーの看板ブランドでもある。2017年の冬頃から『バルトロライト』というカラーブロックのダウンジャケットが人気に火をつけるきっかけとなった。

過去にもノースフェイスのダウンジャケットが爆発的に売れた時代があった。それは1992年リリースの『ヌプシジャケット』がヒットした時のこと。ネパールの山岳名からネーミングされたこのモデルは登山向けに開発された商品で、当時盛んだったストリートファッションの「異ジャンルのプロユースをカジュアルに取り込む」という当時のストリートファッションのスピリットにも上手く符合できた結果となった。

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筆者の記憶では、90年代に一度火が付いたノースフェイスブームは早々に終焉したように思う。その終焉した最大の理由の一つは、安価なインポート商品が大量に入荷して乱売されたことにより、価格もイメージも下降していったからだ。

沿革を見ても1994年には、日本独占輸入販売権から、日本における商標権を買い取ったあたりに当時の乱売が影響したのではないかと推察する。今でもVFコーポレーション傘下のアウトドアブランドとしてノースフェイスはグローバル展開しているから、インポート問題が完全に解決したとは言えないものの、今はゴールドウィン主体で日本の市場に合わせた開発、マーケティングやプロモーションが行える環境が整っているはずだ。

先述のアウトドア関連カテゴリーの数字だけ追うと、『バルトロライトジャケット』に火が付き始めた2017年3月期の売上が39,604百万円だったのが、2020年3月期は77,915百万円。わずか3年の間に2倍近い(1.97倍)数字にまで伸長している。

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