新型コロナ第二波流行に備えて、いま「私たちができること」とは

正しい情報のもと、基本の防御策を
宮坂 昌之 プロフィール

 Q8 年齢と重症化の関係は?

重症化は子どもではほとんど見られず、50代を過ぎるとそのリスクが高くなりはじめます。死亡率は60代から高くなり、日本では死亡者の9割以上が60歳以上です。

 Q9 新型コロナウイルス感染により重症化しやすい人は? 

高齢者、糖尿病・心不全・呼吸器疾患などの基礎疾患をもつ人、透析を受けている人、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている人などで、これらの人は要注意です。

いま知っておきたい、予防や診断、薬…

  Q10  新型コロナウイルスに対する予防策は?

手洗いと消毒の励行、そして、なるべく人ごみを避けることです。

もし人ごみに出たり混み合った乗り物に乗ったりした後は、ウェットティッシュで手を拭ったり、水道のあるところで石鹸を使って手洗いをしたりしてください。咳やくしゃみが出る場合は、ティッシュ、ハンカチ、袖などで口を押さえて、なるべく他人に飛沫が飛ばないようにすることが大事です。

【写真】手洗いと消毒、人ごみを避けること予防策の基本は、手洗いと消毒、人ごみを避けること photo by gettyimages

マスクは、N95という医療用の特殊なものは別ですが、通常の市販のマスクだと他人から感染をもらうのを防ぐ効果はあまりありません。しかし、新型コロナウイルス感染症の場合、自分が知らないうちに感染している可能性があるので、人にうつさないという目的からマスクをすることには意味があります。

たとえば、2人で話す場合、双方がマスクをして、さらに1.5メートルから2メートルの距離を取ると、万が一口からの飛沫が一部マスクを通り抜けたとしても、相手に届く前に下に落ちて、ウイルスを人に浴びせるリスクが減ります。

  Q11  新型コロナウイルス感染を検出するための診断キットはあるのか?

 

これまでは、PCR法とよばれるウイルス遺伝子を検出する方法が主に使われてきました。しかし、この検査は手間と費用がかかり、感染していても陰性と出る(=偽陰性が出る)こともあるので、1回の検査では判断が困難なことがあります。

最近になって、30分以下で感染を検出できる迅速抗原検査が使えるようになってきました。PCR法よりは感度は悪いのですが、ウイルスを多量に排出する人を同定できる可能性があります。

また、現在感染中あるいは感染後回復した人には抗体ができることから、最近、社会のなかの感染者の割合を調べるために抗体検査が使われるようになってきました。ただし、まだ感度と精度に問題があるものが多く、得られた結果を解釈するのには注意する必要があります。

【写真】ニューヨーク、抗体検査の看板抗体検査を知らせる看板(ニューヨークで)。米国でも正確性を疑問視する声があがっている photo by gettyimages

  Q12  感染が疑われる場合はどうしたらよいのか?

外出を避け、学校や仕事は休んでください。そして各都道府県に設置されている帰国者・接触者相談センターや、かかりつけ医、地域の相談窓口等に電話で相談してください。

  Q13 新型コロナウイルスに有効な薬剤は?

抗エイズ薬や抗新型インフルエンザ薬などさまざまなものが使われはじめていますが、現在のところ、確実に有効であるかどうかまだ分かっていません。抗生剤は効果がありません。

  Q14  新型コロナウイルスに対するワクチンは?

多くの国で開発が進んでいますが、現在のところ、まだ有効なものがありません。良いものができてくるまでには1年以上かかるでしょう。

  Q15  今後の予想は?

現在の感染の第一波が終了した後に、第二波、第三波が来るでしょう。しかし、いつ頃、どの程度の大きさの波が来るのか、予測が困難です。体調を整えて免疫力を落とさないようにすることが大事です。


以上は、2020年5月22日の時点でわかっていることをまとめたものです。今後、状況の進展とともに変わってくることがあるかもしれません。感染力は強いのですが、ウイルスを持っている人に出会ったからといって必ずしも感染するわけではありません。

大事なことは、パニックにならずに、正しい知識のもとに、必要な防御策(手洗い、消毒、人ごみを避ける、1.5~2メートルの距離をとる)をとることです。約8割の人は重症化することなく、時間とともに症状が軽くなり、治癒します。

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