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コロナ危機で再露呈…全国民が知るべき「公文書管理のヤバい実態」

「歴史的緊急事態」なのに記録ナシ?

政府も専門家会議も明らかに間違っている

新型コロナウイルス感染症専門家会議の議事録(発言者名と発言内容のわかるもの)が、共同通信の情報公開請求に対して不存在となり、問題になっている。

専門家会議は議事概要のみ公表しており、議事録が作成されていないことは過去にも報道され、国会で質疑もされてきたが、政府は議事録を作成しないことに問題がないと、繰り返し説明してきた。

そして、5月29日に行われた専門家会議の記者会見では、議事録の作成については、「基本的には政府の決めること」(脇田隆字座長、尾身茂副座長)と他人事のような回答をしていた。

政府の説明も専門家会議の認識も、明らかに制度的に間違っている。

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筆者が理事長を務める情報公開クリアリングハウスでは、3月13日付で要望書を発表し、関係行政機関に送付してすでに問題点などを指摘し、改善を求めているが、この間、一向に是正されないし、特に政府は誤った不適法な認識を平然と繰り返し述べてきた。

この誤った認識は、新型コロナ対策本部会議前に開催されている、首相のもとに関係閣僚、各省庁幹部が集まる「連絡会議」の記録作成問題でも、繰り返されている。

改めて、何が間違っているのか整理しておきたい。

 

「歴史的緊急事態」なのに…

議論の混乱と制度の曲解は、政府が新型コロナ対策を行政文書管理ガイドラインに定める「歴史的緊急事態」に指定したことから始まっている。

「歴史的緊急事態」とは、「国家・社会として記録を共有すべき歴史的に重要な政策事項であって、社会的影響が大きく政府全体として対応し、その教訓が将来に生かされるようなもののうち、国民の生命、身体、財産に大規模かつ重大な被害が生じ、または生じるおそれがある緊急事態」とされている。このような事態に対応する会議等については、特に記録の作成義務がガイドラインに定められている。

これは、東日本大震災と福島第一原発事故に対する政府対応会議の一部が、議事概要のみで議事録を作成していなかったことの反省から、緊急事態での記録作成に関するガイドライン改正が2012年に行われて設けられたものだ。