Photo by iStock(写真はイメージです)

コロナでも爆売れ「子ども向け自己啓発書」にハマる大人が続出のワケ

「子どもも大人も刺さる」がヒットの鍵

「子ども向け実用書」「子ども向け自己啓発書」がいま、書店の児童書棚を席巻している。

多くの人が耳慣れないであろうこのジャンルは、2015年にシリーズが始まった『学校では教えてくれない大切なこと』(旺文社)、2016年3月に発売された『こども孫子の兵法』から始まる斎藤孝(明治大学文学部教授)の「名著こども訳」シリーズ(日本図書センター)などを嚆矢とする。

ヒットとなった代表的なタイトルには、上記の「名著こども訳」シリーズのベスト盤的内容の『きみを強くする30のことば 偉人に学ぶ生き方のヒント』、アスリート・為末大による『生き抜くチカラ』、学習塾経営者・高濱正伸が監修する『メシが食える大人になる!よのなかルールブック』、そしてベストセラーになった原作・吉野源三郎、漫画・羽賀翔一『漫画 君たちはどう生きるか』(マガジンハウス)などがある。

実は、こうした子ども向け実用書、子ども向け自己啓発ジャンルは、子どもだけでなくその親や、大人に支持される――つまり「大人にも読まれる」ことで人気を拡大しているのだ。

書店でも子ども向け実用書フェアが展開されている(明屋書店MEGA平田店の店頭展開)
 

トレンドは「親子で読める本」

2020年5月末、出版大手取次の日販が発表した上半期ベストセラーには、児童書ジャンルに関して下記のようなコメントが加えられていた。

【児童書】児童書のトレンドは“親子で楽しく学ぶ”へ!

いじめに悩む子どもたちに向けた『こども六法』が、大人にもためになると累計発行部数58万部の大ヒット。子どもに買い与えたいだけでなく、一緒に学びたいという親世代の新たな需要を喚起させたことが売上増加につながった。

2020年上半期のベストセラー全体を見ると、『こども六法』以外にも、狭義の児童書に限らず「子どもに関する本」「小学生から大学生までの子どもとその親が、ともに読める本」が目立つ。たとえば、

記憶力を鍛えるための問題集『見るだけで勝手に記憶力がよくなるドリル』

英国で暮らす親子の成長を描いた『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

少年院には認知力が弱い非行少年が多いことに気付いた児童精神科医が、人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当てた『ケーキの切れない非行少年たち』

人気コミック「鬼滅の刃」の小説版である『鬼滅の刃 片羽の蝶』『鬼滅の刃 しあわせの花』

ゲーム攻略本『ポケットモンスター ソード・シールド 公式ガイドブック』

などだ(ジャンプマンガもポケモンもいまや2世代コンテンツである)。

「子ども向けだが親も読む本」「大人向けだが子どもにも読んでほしい本」「親子で楽しめる本」「親子で学べる本」とパターンはいくつかあるが、こうしたファミリー需要がベストセラーのトレンドになっていることは疑い得ない。