安倍政権の第2次補正予算、「まだまだ全然足りない」と言えるワケ

財政投融資を活用せよ
加谷 珪一 プロフィール

財政投融資を活用すべき

1次補正の支出で最も大きかったのは、中小零細企業向けの給付金(2.3兆円)、個人への10万円の給付金(12.8兆円)など、経済的に打撃を受けている個人に対する支援であった。個人消費は日本経済の屋台骨となっており、生活に困窮する世帯を増やすと、経済の基盤を破壊してしまう。個人への給付を単なる福祉であると捉える人もいるが、それは違う。消費主導型経済において消費者を守ることは、れっきとした経済政策であるとの認識が必要だ。

2次補正では、中小事業者向けの資金繰り対策(11兆6000億円)、地方自治体が休業支援に充当できる交付金の拡充(2兆円)、持続化給付金の拡充(1.9兆円)、家賃支援給付金(2兆円)などが盛り込まれた。10兆円の予備費を除くと、多くが個人もしくは零細事業者の支援に充当されている。

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金額的にはようやく必要とされる水準に達したが、これらは、打撃を受けた個人や零細企業を支援するものであり、落ち込んだマイナスを埋める効果しかない。支援金を受け取ったところで、失った売り上げが戻るわけではないので、今回の補正が決まったことで、とりあえずイーブンになったと考えた方がよいだろう。

10兆円の予備費についても、今度、感染が再拡大した場合の支出を想定したものであり、基本的には落ち込みに対処する予算ということになる。

では、単に景気の落ち込みをカバーするだけでなく、今後の成長につなげていくためには、どうすればよいのだろうか。このフェーズにおいては財政投融資を活用できる余地が十分にある。