過疎化が進み、今では人口2千人に満たない徳島県勝浦郡上勝町が日本で初めて提唱した「ゼロ・ウェイスト宣言」。世界的に注目される里山での取り組みをご紹介します。

どう処理するかではなく、
ごみ自体を出さない社会へ

日比ケ谷ごみステーション

日比ケ谷ごみステーション。取材時は新施設建設中のため、仮の施設で運用されている。

徳島市内から山間部へ向けて車で1時間ほど。勝浦川上流域に位置する小さな町が、2003年に日本の自治体として初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」をした。「ゼロ・ウェイストとは、無駄・ごみ・浪費をなくすという意味。出てきた廃棄物をどう処理するかではなく、そもそもごみを生み出さないようにしようという考え方です」と、上勝町でこれを推進してきた、NPO法人ゼロ・ウェイストアカデミー4代目理事長・坂野晶さん。町にはごみ収集車がない。代わりにあるのは〈日比ヶ谷ごみステーション〉という名の集積所

分別品目は45分別。老若男女誰もが分別しやすいように、表示は見やすく、わかりやすく。

上勝町の住民はみな、ここに自分でごみを持ち込んで13品目45種類に分別する。「資源の分別は丁寧に行えば行うほど有価物としての価値も高くなる。紙や金属など“お金になるごみ”は上勝町のごみ処理費用の削減に貢献しています」と、上勝町役場の担当の方も話してくれた。

どの素材が、どこで、何に再資源化されているのか。その買取価格、あるいは引き取りにかかる金額まで明確に表示されている。

ここにはリユースショップ〈くるくるショップ〉も併設されていて、まだ使えるものは町内外で循環される仕組みも整っている。2016年度にはリサイクル率81%に達した上勝町だが、「同時に、これはもう限界域」だと坂野さんは言う。

資源ごとの分別ボックスが並び、住民はここに自分たちでごみを持ち込み、分別する。ここから約8割がリサイクルされている。

これから先は、リサイクルとごみの発生抑制の両輪が大切。これまでのような一方通行の経済ではなく、環境も経済も循環し続けられるサーキュラーエコノミーという考え方が必要ですね

日比ケ谷ごみステーション
上勝町内唯一のごみ集積所であり、ゼロ・ウェイスト政策の拠点。無料のリユースショップ〈くるくるショップ〉を併設。ここからは誰でも自由に持ち帰ることができる。視察希望者は上勝町の役場窓口へ問い合わせを。●徳島県勝浦郡上勝町大字福原下字日浦18-1 営業時間:7:30~14:00 定休日:なし(年末年始を除く)
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