地球が巨大な磁石であるということ、証明できますか?

現役東大生のサイエンス入門「地磁気」
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自らの仮説を証明するにも実験が必要

そこでギルバートは「地球自体が大きな磁石である」という仮説を立てました。仮説を立てたら、あとは実験でその仮説を検証しなくてはなりません。そのために、彼は大きな磁石を球形に削り出し、地球の模型を作ってしまいました!

地球の模型の様々な場所に磁石を近づけ、その振る舞いを観察したのです。そして、この実験で磁石が向いた方向と、実際の地球上で磁針が向いた方向は、とても似ていました。

これにより、ギルバートは「地球は磁石である」と結論付けたのでした。

このようにギルバートが採った「仮説を立て、それに基づく実験をし(必要があれば単純化小型化した実験装置を作り)、仮説を検証する」という方法は、今も昔も変わらない科学の大事な手法です。

なぜ地球は磁石なのか

さて、最後になりますが、どうして地球が磁石の力を持つのか、という疑問に注目していくことにしましょう。

実は、この疑問に関しては、ギルバートから400年以上経った現在でも、完全にはわかっていません。

有力な理論の一つとしては、「地球内部のドロドロに溶けた鉄やニッケルが流れて動くことで、磁力や電気を発電機のように生み出している」というダイナモ理論が唱えられています。この理論は、流体、電気、磁力が互いに影響を与え合う複雑な問題になっていて、研究にはコンピュータ・シミュレーションが活用されています。

地球内部のシミュレーションには大規模なコンピュータが用いられている photo by iStock

仮説を検証するためにギルバートが地球の模型を作ったように、現代ではコンピュータでシミュレーションすることで理論を検証していくことができるのですね。

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