「地球は大きな一つの磁石である」という話を聞いたことはあるでしょうか。その地球が持っている磁石の力のことを「地磁気」と言います。今回は、この地磁気についてお話ししたいと思います。
まずは、そもそもどうやって地球が磁石であることがわかったのかについて見ていきましょう。
地球が磁石であることを発見したのは、今から400年以上昔に生きた人物、ウィリアム・ギルバート(1544-1603)です。彼が生きていたのは、日本で言えば戦国時代頃ということになります。もちろん、当時は現代のような発達した計測機器などは存在していません。
そんな状況で、どうやって地球が磁石であることを示したのでしょうか。
ここで、「方位磁針のN極が北を向くのだから、そんなの当たり前だろう」と思う方もいるかもしれません。確かに、当時すでに方位磁針は存在していて、N極が北を向くという性質は利用されていました。
しかし、本当にそれだけで地球が磁石であることの証拠になるのでしょうか。
たとえば、「いつも北の空にある北極星が実はとてつもなく強力な磁石であり、それが地球上にある方位磁針のN極を引きつけているのかもしれない」という仮説を立てることができます。この仮説は、突拍子もない説に聞こえるかもしれませんが、地球が磁石であることが証明されるまでは、実際に唱えられていた説なのです。
他にも「北極には大きな磁石で出来た山があるのかもしれない」という説もありました。こちらは、それほど突拍子のないものでもありませんよね。