お堅いだけではなかった医師たちとの会話

「必ず貴方の病気を突き止めて見せるぜ!」と確約してくれた、舞台俳優のような教授は、回診のたびに、私の事を「言葉のプロ」と呼んで親身にしてくれました。その教授がトップの一団です、メンバーは個性的なプロ集団でした。私のいる前で色々な病気の説明をしながらその場で意見交換をし、宿題も出していき、検査の方向性も決めます。一団でやって来て、各ベッドの違った病気の患者さんに的確なアドバイスをして風のように去っていきます、どこでカメラが回っているんだぁ~と思うほど、ドラマの中のような風景でした。

まるで医療ドラマのような「チーム」だった Photo by iStock

私を外来の時から見てくれていた医師は、何か冗談を言うと冷静に「そう来ましたか」と受け答えする研究者タイプで、検査のエキスパートです。
針筋電図検査は体を固定して反応を見るのですが、全身のいたるところに針を刺して電気を流していきます、モニターのある雰囲気抜群の個室で検査をされました。

まるで仮面ライダーの改造人間の手術を受けた感じじゃないですか、何かこれの影響で変身できるとか、特殊な能力とか身につかないのですか?

私はあまりに痛かったけど、ちょっと笑いを取るつもりで言ったのですが、医師は真顔で数秒考えて、

う~ん、残念ながら、そういう事例は無いですね

先生、ここ笑うところ!

とツッコムと、ここで医師はニヤッと笑いました、うわぁっやられました、クールだなぁ。

入院時の主治医は熱血漢タイプです、入院初日に私が彼の前で転んでしまった時、

はい、津久井さんアウト~、院内フリーは剥奪です、棟内でおとなしくしていてください、転んだらアウト~

入院で分からない事があったら何でも聞いてください、分かっていることは全てお答えします、ただ、看護師の方が知っている場合が結構あります

他の科であれば、この検査画像を見て、脳も肺も内臓も全く問題が無いので『異状なしで健康です』という診断を出すところから、原因探求をスタートするのが神経内科です、本当に何なんだぁ~っ、なんです

「何なんだぁ~」はALSでした、医師の皆さん、見つけてくれてありがとう!

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そして退院日が決まってからは、経験豊かな看護師さんや理学療法士の皆さん、作業療法士の皆さんにリハビリや自主トレのアドバイスをたっぷりとレクチャーしてもらいました、この専門分野の皆さんも個性豊かで、次のステップのヒントをたくさんもらいました。

さぁっ、気持ちを切り替えてALSと生きていく日常生活が始まります。

津久井教生さん「ALSと生きる」今までの連載はこちら

津久井さんが5月に収録した読み聞かせ動画はこちら↓

出典/youtube 81produce official