「治療法はないのですか?」

その後も主治医はしっかりと長い時間をかけて資料と共に病気についての説明をしてくれました。しかし、ALSの「治療法」に関しては驚くほど短い時間での説明になりました。

このALSは現在において確たる治療法がありません。進行を遅らせると言われているものが、わずかに認定されているだけです。ALSとはそういう難病です」

「治療法がないのですか?」

「はい、リルゾールという飲み薬とラジカットという点滴がありますが、あくまでも進行を遅らせるという治療になります」

「この2つだけですか?」

「他にも現在色々な治験が行われていますが、認定されている代表的なものはこの2つです」

話はここで終わりました。

ある程度覚悟していたとはいえショックでした。いえ、大ショックでした
病名が分かれば治療法が確立し、それに向かって主治医と進んでいくものであると思っていたので、盛大な肩透かしを食らった感じです。

病名はわかっても治療法はわからない…Photo by iStock

「他に何か質問はありますか?」

「何かやることってありますか?」

「やること?」

「何かこのALSってやつに対してやれることです」

「好きな事をやってください」

「好きな事?」

「ご自分が良いと思われることです。」

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ALSという疾患は、確固たる治療法をバックボーンとして、治療を進めていく事が出来ない病気なのです。その上にものすごく病状の個人差が激しいものなのです。