コロナショック「JR北海道・四国・九州」が受けた大打撃の中身

これからも鉄道旅客が激減する中で…
佐藤 信之 プロフィール

JR北海道の連結決算では、中間期決算の段階では、前期の北海道胆振東部地震の反動とJRイン千歳の開業効果があって、単体の営業収益の増収額に加えて、総額27億円の増収であった。

最終的には、前期比37億円減の1672億円に、営業利益は7億円減の426億円となった。経常損益は24億円減の135億円の赤字。当期純損益は、前期の167億円の赤字から今期は30億円の黒字に改善した。

しかし、当期は国などからの支援が貢献したものであり、ほとんどが当年度の設備投資に充当されたため、運転資金が不足する状況には変わりがない。現金等残高は、前期末の360億円から、当期末には186億円に減少している。

年々厳しさを増していったJR四国の経営

JR四国は、昭和62年度の会社発足以来旅客輸送量が下降を続けてきた。

昭和63年に本四架橋が開通して以降、四国でも高速道路の整備が進み、自家用車や高速バスのネットワークが急速に発展した。

国鉄改革において四国での経営環境の変化は織り込み済みで、国鉄時代に電化・複線化、新型車両の投入を行って、JR四国が必要とする設備投資を圧縮する配慮が行われていた。

その効果もあって、JR化後、10年くらいは見込みを超える経営が続いたが、その後は、予想以上にモータリゼーションが進行し、本四架橋の通行料の割引もあって、京阪神との間の交通が道路交通に大きくシフトしてしまった。その結果、JR四国の経営は、年々厳しさを増していった。

 

今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、JR四国の経営に大きなダメージを与えた。

運輸取扱収入は、2月上旬には前年同期比で89%であったが、感染拡大が進むにしたがって旅客は急速に減少していった。外出自粛の影響が出始めた3月上旬には、37%にまで減少。緊急事態宣言が出された翌日4月8日からの約1週間は14%、続く下旬までは9%と、通常の1割にも満たないほどに旅客収入が減ってしまった。

もともとJR四国は人手不足のために一部の列車の廃止が決まっていたが、ダイヤ改正の直後に4月29日から観光列車のすべてのほか一日に特急17本、普通7本を運休することになり、さらに4月29日からのゴールデンウィークには特急31本を運休し、岡山、高松と松山、高知方面を結ぶ特急が、通常は宇多津で併結・分割するところ、高松発着の編成は宇多津までで運転を打ち切り、同駅で岡山発着の列車に乗り換える形となった。

JR北海道とJR四国の決算の内容は、さほど悲惨なものに感じられないが、実際には近年の様々な経営問題により国などからの支援を受けた結果である。危機的な経営はさらに悪化しており、新型コロナの影響はむしろ令和2年度の方が大きくなるだろう。今から経営再建のための方策について国と地方を巻き込んだ議論が求められる。

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