自殺者が後を絶たない…リアリティーショーは「現代の剣闘士試合」か

あまりに残酷な「感情労働」
斎藤 環 プロフィール

出演者を守るルールづくりを

また『テラスハウス』では、数名の有名タレントがスタジオ陣として参加しており、副音声で出演者をいじるコメントを流すスタイルをとっていた。このスタイルがSNS上の炎上を激化させたのではないか、という指摘もある。演出されたキャラをいじるということは、そのキャラをいっそう固定化することを意味するため、批判の声をヒートアップさせる効果は確実にあったであろう。

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もしあなた方が、どうしてもこの手の野蛮な番組を続けたいと言うのであれば、私にそれを止める権限はない。ただし、番組検証委員会が本当に機能するのならお願いしたいことがある。恋愛リアリティーショーのお手本となるようなルールを作ってもらいたい。たとえば以下のように。

それが虚構であるとわかるような演出を強化して欲しい。具体的には、ときおり有名俳優が不定期に出演するなどして、番組の「虚構度」を上げて欲しい。番組の最後に出演者同士が談笑するオフショットやNGシーンを流すなども可。番組内のキャラを固定化しないためにも、SNS上で出演者同士がそれぞれの「演技」をネタにしたり、仲よく交流することを推奨して欲しい。もちろん視聴者に対しては、出演者への誹謗中傷はしないように、毎回注意喚起して欲しい。いずれも出演者の安全を確保する上での、最低限の配慮である。

もしこれらのことが「リアリティーの邪魔になる」とか「視聴者の興を削ぐ」とか言う理由で却下されるのであれば、せめてあなた方は出演者の安全よりも視聴率を選んだのだという自覚くらいは持っていて欲しい。残念なことにこの手の番組はいまだに合法であり放送倫理にも違反していないから、制作を続けることはできる。しかし私のように、その「残酷さ」「野蛮さ」に心を痛めているものが少なくないという事実も、どうか忘れずにいて欲しい。