中国・習近平を襲う大問題、「途上国への巨額貸付が返ってこない!」

返済を求めるか、減免か…方針も混乱中
富坂 聰 プロフィール

年明けからのコロナ禍で各国が厳しい景気の下振れ圧力にさらされるなか、途上国が次々と債務不履行に陥るのは、自然な流れといえよう。

一部では、それを察知した中国側が早急な返済を求めて、現地で対立を繰り返しているとの報道さえ見られるのだ。

余裕のある中国が、インフラを整備しようにも資金がひっ迫する途上国に資金を提供すことで経済発展を促し、その発展の利益を中国も享受するというウインウインの構造を、新型コロナがすっかり逆回転させてしまったというわけだ。

 

「債務の罠」どころではない

そもそも「一帯一路」の発想の原点には、インフラが整えば必ず経済は発展するという「中国経験」(中国の過去の成功体験)がある。中国は、自国の過去とも重なるそうした途上国の発展を、特等席で味わおうとする思惑を持っており、また中国経済が成熟し勢いを失ってゆく減少分を補う「外のエンジン」としても期待していた。

これまで世界では、この中国の発想を政治的にとらえて「債務の罠」との揶揄も聞かれた。「債務の罠」とは、途上国を借金漬けにして港湾などの施設を中国の思い通りに使うという思惑を指している。

だがいま、中国が本当に「債務の罠」、つまり途上国の「借金漬け」をさらに強化したり、債務不履行の対価として何かを奪おうとしたりしているかといえば、そうした動きは起きていない。それどころか、冒頭で述べた通り、むしろ債務返済不履行の問題に頭を痛め、早期の返済を求めるなどの動きを見せているのである。

編集部からのお知らせ!

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/