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SNSに「書くこと」でどんどんバカになる人たち、その意外な落とし穴

宇野常寛さんと三浦崇宏さんが語った

――今日は、宇野常寛さんが書いた『遅いインターネット』と三浦崇宏さんが書いた『言語化力』の両方に紐づけて「言葉にすること」をテーマに話ができればいいと思っています。

言葉に強いお二人だと思いますが、そもそも、「言葉にする」「書く」という能力について、宇野さんは今までどのようにその能力を培ってきたんでしょうか?最初から上手だったんですか?

宇野:いやいやいや、そんなことはあるわけないです。読むことも書くことも、10代の頃から好きだったのだけれど、それと職業として書くというのは別次元の話で……。

やっぱり駆け出しの頃に、年上の編集者や先輩の書き手にたくさん直されていますよ。そして、今もときどき自分の文章を読み返して、「あ、ここはこうすればよかったな」とか「ここの言葉の選び方は間違えたかな」とか思うことはしょっちゅうですよね。

SNS社会では「書く能力がない人」が発信している?

――『遅いインターネット』の中で「書く力がない奴が発信しまくってる」というくだりがありますが、書く力は習得することが相当難しいと思います。お二人は職業柄、得意だと思うのですが、書く力はどのようにしたら身につけられるのでしょうか。

宇野:最近、僕は以前から提唱している「遅いインターネット計画」の一貫として、読者に僕の「書く」ノウハウを共有する講座をやっているんです。そこで他人に「書く」ことを教えるという経験を本格的に始めて気づいたんですが、人が「書けない」理由は究極的には1つで、それは単純に「考えてる量が少ない」、これに尽きるのだと思います。

――なるほど。面白いですね。

宇野:例えば、たまに政治家のFacebookやTwitterなんかにものすごく長文のリプライやコメントをつける人がいますよね。

 

――陰謀論を唱えたり、関係者の相関図を添付してきたりするような人たちですよね。

宇野:そう。「私の入手した情報によると、政治家の〇〇は某大国の操り人形で、その背景にはさらに○○民族の財閥が作った秘密結社が……」みたいな妄想を延々と書き連ねているパターンって、1年に何度が見かけたりすると思うんですよ

――(笑)。見かけます。

宇野:内容が良いかどうかはともかくとして、あれはものすごくたくさん書けているわけですよ。むしろ、ものすごくたくさん考えている。というか考えている量だけは無駄にあって、だからああいう人たちは無限に書ける。

もちろん、これは悪い例で、「書ける」だけじゃ意味がないことを証明している。でも、その一方で確実に「書ける量」と「考える量」は正比例してると思っていて、書けない人っていうのは単純に、考えてる量が少ない人がほとんどだと思うんです。