テレワークで「存在意義」を問われる中間管理職たちの圧倒的な苦悩

求められる「上司力」が変化している
前川 孝雄 プロフィール

上司は「支援職」を目指すべき

リモート環境下でも、社員が働きやすく、仕事が滞らないように、様々なテクノロジーサービスが登場している。ホストサーバーにつないだパソコンを社員に貸与し、業務時間を正確に管理、部下のパソコン画面を遠隔から閲覧、サイトへのアクセス履歴やメールやチャットの記録etc. 部下の仕事ぶりを把握したい上司の不安や焦りに応えてくれるものも増えている。リモート環境でも社員を管理したい会社側のニーズに応えるものともいえる。

しかし、部下や社員の立場からすると、仕事ぶりに加えてプライベートな在宅での過ごし方まで常時上司や会社に監視されることにもなりかねず、気持ちよいものではない。テレワークで気楽に働けるようになったと思いきや、ネットを介してまで束縛されることに違和感を覚え、やる気をなくす人は少なくないはずだ。

〔PHOTO〕iStock
 

デジタル社会におけるプライバシー保護の問題が指摘されて久しい。人に見られたくない個人情報まであからさまになり、不本意な活用がなされるリスクの怖さは言をまたない。テレワーク環境でのこうした監視システムの広がりにも問題があるのではないだろうか。

ただし、私はデジタル化を止めよと言いたいわけではない。テクノロジーを使うのは人間だから、会社や上司側の姿勢に問題があると考えている。社員は会社に従属するもので、上司は命令して部下を働かせるものだという古いパラダイムから抜け切れていないことが問題なのである。

コロナ禍以前から、複業が前向きに捉えられるようになり、転職する人も増えてきており、長寿化により定年後に再就職、独立する高齢者も増えている。会社は終身雇用を保障する代わりに、会社への滅私奉公を強要する上下関係はもう古いのだ。個人と会社はお互いに選び選ばれる対等の関係を目指すべきだ。そもそも人間の体や行動を束縛できたとて、心や気持ちまでは束縛しきれない。

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