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テレワークで「存在意義」を問われる中間管理職たちの圧倒的な苦悩

求められる「上司力」が変化している

コロナ禍でこれ以上経済活動を止め続けられないと、緊急事態宣言は解除された。ただ3カ月以上にわたる外出自粛で、在宅勤務などによるリモートワーク、テレワークが定着し、3密になる通勤ラッシュやオフィスワークに懐疑的な風潮が醸成されてきている。医療従事者をはじめ、流通・小売・サービス業、工場などではフルリモートワークは難しいものの、費用対効果からオフィス不要論も出てきており、コロナ禍以前のワークスタイルには戻りそうにない。

そんな中で、問われるのが中間管理職の存在意義だ。これまでは部下の仕事ぶりを職場で見ながら出来ていたマネジメントが、遠隔勤務が常態となると難しくなるからだ。そもそもテレワーク環境下では、組織に中間管理職はどこまで必要なのか。

TeamsやZoomなどが一気に普及しているが、こうしたITツールを駆使さえすればマネジメントはできるのか。部下を育て活かす「上司力」提唱の第一人者で、400社以上で管理職研修を提供してきた株式会社FeelWorks代表取締役の前川孝雄氏が考察する。

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焦る上司と気楽な部下

「テレワーク長期化に伴う組織課題」に関する意識調査(2020年4月・Unipos)では、「テレワーク前より部下の仕事ぶりが分かりづらい」と答えた管理職が56.1%であったのに対し、「上司や同僚の様子が分かりづらい」と答えた一般社員は48.4%で、上司側のほうがテレワークによって職場が不透明になったと感じていることがわかる。

なぜだろうか。

理由は「テレワークと人事評価に関する調査」(2020年4月・あしたのチーム)で垣間見ることができる。「テレワーク時に管理職が部下に関して不安に感じていること」では、1位が「生産性が下がっているのではないか」(48.0%)、同率2位が「報連相をすべき時にできないのではないか」、「仕事をサボっているのではないか」(32.7%)とのこと。さらにテレワーク時の部下の人事評価は「オフィス出社時と比べて難しい」(73.7%)と答えている。