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ベストセラー科学書の著者が本気で考える「超能力は科学たりうるか」

そして「科学ライティング」とはなにか?
「超常現象は科学的に否定されている」と主張する人がいます。だけど、こうした主張には大事な「科学のルール」の見落としがあるようだ、と更科功氏は考えます。

ではそのルールとはどんなものなのでしょうか。文章術にも通じるその基本を、「超能力」を題材に更科氏が講義してくれる特別エッセイ。

勘を鍛えるには

高校生のころの話である。友人が麻雀をするようになり、それに釣られて、私も少し麻雀をするようになった。しかし、私にはあまり向かなかったのか、それほど夢中になることもなく、残念ながら大学に入る前にやめてしまった。

そのころに『麻雀入門』みたいな本を1冊買って、読んでみたことがある。その本には、こんなことが書いてあった。

「麻雀に強くなるには、勘を鋭くすることが重要である。そのためには、つねに勘を鍛える努力をしなくてはならない。たとえば、毎朝、家を出たときに、最初に出会う人が男性か女性かを当てるのはよい方法である」

そして、私はこの方法を試してみた。その結果、私は80パーセント以上の確率で、最初に出会うのが男性か女性かを当てることができるようになった。

「う~ん、すばらしい。50パーセントよりずっと高い確率で当てることができるなんて、僕は超能力者かもしれない」

と思いたかったが、そういうわけにはいかなかった。

道で最初に出会うのは…… Photo by Getty Images

当時、私の家の周りでは、朝早く会社などに出かける人は、女性より男性のほうがずっと多かった。そのため、当然だが、道で最初に出会う人は、男性であることが多かった。

だから、最初に出会う人が男性か女性かを当てようと思ったら、毎日「男性」と予想すればよい。そうすれば、80パーセント以上の確率で当てることができたのである。

超能力を信じるか

私は子供のころから、お化けや幽霊が大好きだった(今でも好きです)。

中学生ぐらいになると、空飛ぶ円盤や超能力などの超常現象にも興味を持ち、映画や本を参考にして、自分で試せるものはいろいろと試してみた(『麻雀入門』の話も、その一環です)。