photo by Gettyimages
# 新型コロナウイルス # 日本株

投資の神様バフェットはなぜ「失敗」の報告を大事にするのか?

失敗を認めるから成功する

「投資家への手紙」でいつも株主へ失敗を報告する

2月29日の記事「最新版『バフェットの手紙』で判明、100万円を26億円に増やす手口」などでも取り上げた、「バフェットからの手紙」(バークシャー・ハサウェイの年次報告書・冒頭のコメント)は半世紀以上も続き、投資家や経営者に多くのことを教えてくれる教科書となっている。

バフェットのウィットに富んだ少々皮肉なコメントも含めて、学ぶべき内容はたくさんあるのだが、その中でも最も重要だと思うのは「失敗を必ず株主へ報告する」ということである。

photo by Gettyimages

別名「株主への手紙」と呼ばれるように、経営者が株主に報告する決算書に付随する「(社長)御挨拶」に相当するものがバフェットからの手紙である。

日本に限らず世界中のほとんどの経営者の株主や投資家に対するメッセージは、「無難な当たり障りのないもの」にしか過ぎない。あるいは、自社をできるだけよく見せようとして、飾り立てていることも多い。

それに対してバフェットは、多くの企業の大株主でもある立場から、「株主が知りたい」ことを正直・率直に報告するよう心がけているのだ。

バフェットが考える株主へ報告すべき事項の筆頭は「悪いニュース=失敗」である。例えば、バフェット(バークシャー)傘下の企業の経営者は、少なくとも年に1回バフェットに経営内容を報告するが、その際にバフェットが強調するのは「まず悪いニュースを教えてほしい」ということだ。

そして、どのような悪いニュースを報告されても、その場で叱咤することはしない。なぜなら次から悪いニュースを隠すようになるからである。

彼が強調するのは、「どのような悪いニュースにも対処する方法がある。しかし、悪いニュースを知らなければ対処することができない」ということだ。

だから、自らが経営者として率いるバークシャー・ハサウェイの営業報告においても「悪いニュース」を強調するのである。

 

自分がしてほしいことを株主にもするのがバフェット流だ。また、そのような恥ずかしい失敗をしっかりと記録に残すことで自分への戒めにしている。

1573年に三方ヶ原の戦いで武田信玄を徳川家康が迎え撃ったが敗走し、恐怖のあまり脱糞(後世の創作ともいわれる)しながら浜松城に逃げ帰った。その直後に、情けない姿を描かせたとされる「しかみ像」の「自分への戒め」にも通じる部分があると思う。