中国の「対米ヘイト言論」が暴走中…「戦狼」ナショナリズムの行方

外敵を作り国民の注意をそらす?
古畑 康雄 プロフィール

タイに出撃するも返り討ちに

ところが、タイのネットユーザーもおとなしく引き下がらなかった。「香港は香港、台湾は台湾、中国は中国」と反論したり、新型コロナウイルスを「中国ウイルス」などと呼び、(感染源の可能性が指摘される)野生動物を食べることなどを揶揄したりした。

「タイ料理は不味い」と中国側が反撃すると、「お前たちはコウモリを食べているのだから、タイ料理は当然口に合わないだろう」とやり返し、さらに香港、台湾、タイはいずれもミルクティーが有名だとして「ミルクティー同盟」だと団結を強調。

さらには中国のネットユーザーがしばしば発する罵り言葉「NMSL(ニーマースーラ、お前の母さんは死んだ)」を使うと、タイ側は「お前たちはそれしか言えないのか、まるで『CHINESE』ではなく『NMSLESE』だ」とからかい、NMSLの4文字しかない「五毛党専用キーボード」の画像をネットにアップした。(五毛党とは中国政府を支持するネットユーザーのこと。)

 

さらにタイのネットユーザーは天安門事件など、中国ではネットで語ることができないセンシティブな話題を提起し、これに対して中国側が1976年にタイで起きた学生らの弾圧事件(タンマサート大学虐殺事件)を持ち出したのに対しても「構わない、どんどん批判してくれ」「我々は某国政府のように人々を騙したりしない」「お前たちは1989年に向かい合う準備があるのか」などと反論し、中国側を沈黙させてしまったという。

ここから中国の一部の過激なネットユーザーに「NMSLESE」というあだ名が付けられた。