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中国の「対米ヘイト言論」が暴走中…「戦狼」ナショナリズムの行方

外敵を作り国民の注意をそらす?

「米国は弱者らの墓場」 

「米国は弱者、老人、貧困層、マイノリティの墓場だ」―香港への国家安全法案を中国・全国人民代表大会(全人代)が可決した28日、中国紙・環球時報にこのような評論が掲載された。筆者は「单仁平」、つまり胡錫進編集長のペンネームで、英語と中国語で発表された。

評論は米国で新型コロナウイルスによる死者が10万人を超えたことに、「米国の政治制度の衰退であり、政府の明らかな失策であるにもかかわらず、誰一人として責任を問われた政府職員はいない」と米国を批判。

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米国政府や議会は国家安全法への攻撃に集中し、自国の人権に重大な欠陥があるにもかからず、香港の「人権と自由」に関心を持っているが、これは人々の目をくらませ、「世界最大の悲劇は香港であり、10万人が死亡した米国ではない」のだと人々をごまかそうとしていると主張した。

さらに、米国には(適者生存・優勝劣敗を主張する)社会ダーウィニズムが広がっており、10万人という数字は朝鮮戦争やベトナム戦争での米軍戦死者よりも多いのに、米国が経済の活力を取り戻し、「偉大な国」になるための対価だと考えていると述べ、こう締めくくった。

「米国が世界に人権や道義を説教する時、そこでは誰も指摘しない事実が起きている。つまり、今日の米国は弱者、老人、貧しい人、マイノリティの墓場だということだ」

 

タカ派を売り物にする環球時報の胡編集長らしい、攻撃的な言説だが、中国のネット空間を見ると、これでもまだましな方だと感じさせる。

中国紙、新京報25日の報道によると、「至道学宮」という微信の公衆アカウント(一種のネットマガジン)がこのほど封鎖された。