神奈川ではコロナ専門病院も

緊急事態宣言が解除されたが、専門家たちは、暑い夏、寒い冬に第二波、第三波が来た時の対策を練りながら急ぎ準備を進めている。神奈川県では、コロナ専門の病院の整備を進めている。

神奈川県鎌倉市・湘南鎌倉総合病院副院長で産婦人科医の井上裕美さんは「これが杞憂に終わればいいが」と思いながら、県から建築や運用などを受託した新型コロナウイルス感染症専門の病院が隣に建っていくのを見ている。同病院は、はじめ、敷地内に自前でコロナ専用病床を建てた。本院の一般医療を守りやすくし、同時に同院が掲げてきた「患者を断らない医療」も実践できるようにしたのだ。それが県との共同事業に発展し、建築中の病院は180床の大きなコロナ専門病床になる。

湘南鎌倉総合病院も早くから必死に新型コロナウイルス感染症に取り組んできた病院のひとつだ。

  湘南鎌倉総合病院が独自に建設した仮設病床 写真提供・湘南鎌倉総合病院

県内にある同じ徳洲会グループの病院が、施設ごとコロナ専門病棟となってダイヤモンドプリンセス号に乗っていた患者10名を受け容れたし、湘南鎌倉総合病院では、3月2日から院内でPCR検査をできるようにした。検査時間は短くなり、現在はわずか3時間で結果が出る。1日4回定期で検査を行い、これまでに延べ3000件もの検査を実施してきた。
湘南鎌倉総合病院の院内でも、5月20日、産科に入院してきた妊婦全員に対するPCR検査を開始した。検査費用は約2万円かかるが、病院が負担している。この病院は計画出産がほとんどないので出産前日の検査ということはできず、陣痛が起きて入院してきたところで検体採取をしている。出産が進んでいる間に結果が出てくる。

PCR検査が陰性なら夫立会いができるという決まりは、ない。この病院では、PCR検査開始前から、1名限定で家族が一緒にいることを許可している。

妊婦たちは今のところ、必要性を納得して検査を受けているという。たまたま他の理由で微熱が出ていた女性もいた。その理由はわかっていたものの、PCR検査の陰性が出たことで新型コロナウイルス感染症の心配は一応否定され、本人もスタッフもほっとした。
井上さんは、今、PCR検査は病棟に安心をもたらしているという。とはいえ日本中ですべての妊婦さんがPCR検査を受けるべきだというつもりはない。