5月27日、政府は、妊婦が希望し、陽性妊婦の受け入れ先が決まっていれば、PCR検査を国が全額を補助して実施するという案を第二次補正予算案に盛りこむと閣議決定した。

ニンプスラボ」とともに妊婦にアンケートを実施し(4月8日~12日)、1676人の妊婦のリアルな声に直面したジャーナリストの河合蘭さんによる短期集中連載「新型コロナと妊婦」。今回は妊婦へのPCR検査を実施している病院に話を聞き、その必要性と問題点をお伝えする。

妊婦の不安をとりのぞき、そして妊婦も赤ちゃんも出産にあたる医療従事者も安心・安全に出産できるようにするためにはどうしたらいいのか Photo by iStock
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妊婦から「PCR検査を受けたい」の声

妊婦のPCR検査については、「出産前の妊婦全員に」、「院内感染対策」としてPCR検査を実施する病院がすでにあり、複数の専門家組織からその負担を国や県に助成してほしいと求める要望書が出されてきた。感染者の分娩や手術は医療従事者への感染リスクが高く、産科病棟が閉鎖されれば妊婦も困る。しかし、「PCR検査は偽陰性が多い」「感染妊婦の受け入れ先はあるのか」「陽性だった妊婦が偏見の目で見られるのでは」といった反対意見もあり、このやり方が奨励されるべきかどうかは産婦人科医の間でも意見が分かれていた。そのため条件を強調した表現となったように見える。

ただ、当事者である妊婦たちはどう考えているかというと、私がニンプスと実施したアンケートに書かれていたのは、積極的な声だった。

健診時に随時検査をするなど対策をしてほしい。感染に気付かず出産し赤ちゃんや医療従事者に院内感染させてしまったら怖い」( 33歳・宮城県 )

コロナかなと思ってもなかなか検査してもらえないので心配。様子見しているときに重症化したら私だけではなく赤ちゃんも大変そう」(39歳・神奈川県)

PCR検査がすぐ受けられたら、里帰り出産も受け入れられやすいという声もあった。

ここには、検査センターが混み合い、なかなか検査が受けられない状態の中で回答してくれた妊婦の声もある。この方は臨月でコロナを疑う状態になり、かかっている産婦人科と相談の結果、週に一度の妊婦健診に行くこともできないでいた。

コロナだったら他の妊婦さん赤ちゃんにうつしてしまうのではないかと不安です。(中略)コロナの可能性が1パーセントでもあれば、たとえPCR検査の精度が100%正しくなくても妊婦には適用させるべきだと思います。自分が感染していたら対応策も立てやすいと思いますし、他の人への感染リスクを下げる、産婦人科の風評被害も減らせる思います」(31歳・栃木県)

妊婦たちはいろいろな場面でPCR検査を望みつつ、受けられずにきたのかもしれない。妊婦全員へのPCR検査について、すでに実施している2カ所の病院にお話をうかがった。