Photo by iStock
# がん

「死ぬのが怖い」を乗り越えるには…がん専門の精神科医が出した答え

人は死んだらどうなるのか?
がんを宣告された人は、さまざまな不安や悩みを抱えるもの。日本人の2人に1人が、がんにかかると言われる時代、決して他人ごとではない。『がんで不安なあなたに読んでほしい。』の著者、清水研先生は、これまで4000人以上の患者・家族の相談を受けてきた「がん専門の精神科医」だ。そんな先生に、「死への恐怖」をどう乗り越えればよいか、アドバイスをいただいた。

人が死を怖れる3つの理由

相談:先生、死ぬのが怖いのです。まだ明るい時間帯はよいのです。いい歳をして恥ずかしいのですが、真夜中に目が覚めて泣き出しそうになります。
Photo by iStock

――まさか告知を受けて、自分がこんなふうになるとは思いませんでした。

死の恐怖を感じ、うろたえているご自身に戸惑っておられるようですね。いい歳をしてとおっしゃいましたが、歳を重ねた方でも、当然、死の恐怖は感じます。何歳になっても死は未経験のことであり、恐怖を感じることが恥ずかしいと思われる必要はないと思います。

――死ぬのが怖いと思うのは、当たり前のことなんですか?

はい。人間には動物と同様に生存本能があります。自らの死を予感させるものには強い恐怖を感じるように、そもそもできています。ただ、どうして自分が死ぬのが怖いのか、そこを考えて整理していくと、その恐怖というのはやわらいでいきます。

 

――どうやって整理するのですか?

死に対する恐怖は大きく分けると3つあります。1つ目は、死に至るまでのことへの恐怖です。例えば、がんが進行すると、とんでもない痛みに襲われるのではないか、苦しむのではないか……というような恐怖です。

2つ目は、自分がいなくなることによって生じる現実的な問題に対する恐怖です。残していく家族のことや経済的な事情、やり残したこと、愛する人との別れ……。そんなことを考えることから生じる恐怖です。

3つ目は、自分自身が消滅すること、死そのものに対する恐怖です。真夜中に目が覚めて泣かれるときは、どんなことを考えられるのでしょうか?