このように考えると、戦後日本のいくつもの謎が解ける。
憲法9条で、戦争放棄をうたっているのに、なぜ自衛隊があるのか。憲法9条と、日米安保条約の関係はどうなっているのか。ちなみに、日米安保条約は軍事同盟である。敗戦のときあれだけこだわった「国体」は、守られたのか守られなかったのか。
皇国日本が天皇の代わりに、アメリカ大権を戴くことにした、と考えるとすっきり理解できる。
日本が軍事占領されているあいだ、安全保障は問題ない。アメリカ軍が守っている。日本が独立したら、軍隊がないのは問題だ。じゃあ、日米安保条約を結んで、ひき続き米軍基地を置きなさい。アメリカ大権の命令だ。
独立国なのだから、自衛もしなさい。これもアメリカ大権の命令だ。でも9条に、軍隊を持たないと書いてあるんですけど。いや、日本国憲法は、自衛権まで否定していないのだよ。条文に書いてなくても横に、「自衛権はあります」とうっすら書いてある。見えた? これもアメリカ大権が教えてくれた。
日本国憲法は、超憲法的なアメリカ大権、そして日米安保条約とセットで、日本の「国体」なのである。