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日本人は知らない…日米安保条約がもはや「あてにならない」本当のワケ

日本人が持つ「無意識の闇」の正体

すっきりしない日本の「もやもや感」

すっきりしない日本国のもやもや感。戦後日本を包むこの霧の正体を、つきとめよう。

大東亜戦争と共に崩れ去った大日本帝国の亡霊が、積み残した宿題のようにさまよっているのだ。

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『國體の本義』という本があった。昭和十二(1937)年、文部省発行。新学期に間に合うように印刷され、全国の中学校や女学校で教えられた。国民を総動員して戦時体制に突き進む運動の精神的支柱である。天皇機関説を排撃した国体明徴運動の総決算だ。

この本は、完全に忘れられたと言ってよい。ほとんどの人びとは、名前を聞いたこともない。けれども無意識の奥底に、症状なしのコロナ・ウィルスのように潜んでいて、ものをみえなくしている。

この無意識の闇に光を当てるために、『皇国日本とアメリカ大権』という本を書いた。戦後日本の奇妙なあり方が、生まれた流れが理解できる。

 

そもそも『國體の本義』には、どんなことが書いてあるか。帝国憲法に書いてないことが、書いてある。帝国憲法には、天皇が憲法を定め、以後憲法に従って権力を行使するとしている。それなら天皇は、国家機関である。これが定説で、法学部ではそのように教えた。美濃部達吉博士の天皇機関説である。

帝国憲法には、天皇は大権を持っているとも書いてある。緊急時には大権を行使して、緊急勅令を発する。でも緊急勅令は、あとで議会の承認が必要で、承認されないと無効になる。

そして緊急勅令は、政府が用意するもので、天皇はハンコを捺すだけ。大権は、専制でも独裁でもない。帝国憲法は立憲君主制の立場で一貫している。この点を評価して、諸外国は日本に敬意を払った。