コロナパンデミックで最も大きな影響を受けた「Z世代」の絶望と希望

最重要課題はメンタルヘルス
竹田 ダニエル プロフィール

また、「パンデミックによって、Z世代のメンタルヘルス状態はさらに悪化する可能性が高く、社会的生活もさらに偏狭なものになるでしょう」というBusiness Insiderの記事のタイトルの通り、すでにスマホやパソコンが中心の生活によってフィジカルな接触が減ってしまった多感的な世代にとって、コロナウィルスによって社会的距離を取らなくてはいけない上に経済悪化で雇用状況も安定しない状態は、残念ながらさらにZ世代のメンタルヘルスの悪化に追い打ちをかけることになるだろう。

同時に、VICEの調査記事「ミレニアル世代とZ世代に、パンデミックにどう対処しているのか尋ねて見た。彼らは、こう答えた。」によると、現在のコロナウィルスの状況においてZ世代は「思いやり」を大切にしていることが示されている。

「一世代に一度あるかないかのこの状況が、若い世代の視点を『劇的にシフト』させ、『他者への深い共感を生み出している』ことが研究で明らかになった。実際に、若者の間で感じられている感情は、『共感』が 『不確実性』に次いで2番目に高く集計された。

他者に共感する力と技術的なノウハウの組み合わせこそが、若い世代を今後の重要な存在にしている。

彼らは、わざわざ電話で話すという行為を取らなくても、うまくコミュニケーションをとることができる世代である。実際に大規模な社交場にいなくても、お互いに連絡を取り合う方法を直感的に知っている。彼らこそが、このウィルスを食い止める中核的なグループなのだ」

〔PHOTO〕iStock
 

つまりZ世代は、オンラインを通してでも同じ価値観を持った世界中の同世代の人たちと連絡を取るためのスキルを備えており、寂しさを紛らわすために世界と繋がろうという積極性も持ち合わせている世代だと言える。

この変化が音楽業界に与える影響を考えると、従来の業界構造の中で定着してきた、「大人が主導して若いアーティストを成長させる」という構造が崩壊しつつあることに加え、さらにウィルス拡大による自宅待機で自立性を得た若者世代が、インディペンデントに、そして今まで以上にグローバルな規模でクリエイティブを生み出す方向に進むということが安易に予想できる。