「ななめの存在」を常にみつけてきた

そんな話をしていると、レウォン君本人がこう言った。
うちのお母さんは、そういう場所を見つける天才なんです
親や教師を、育て、指導するという「たての存在」、友人を「よこの存在」とすると、ちょっと離れた場所からその子を理解してくれる「ななめの存在」の大人が子どもに与える影響は小さくない。そんな大人が子育てを前に進めるガソリンになる。そんな視点はぜひ見習いたい、そう告げると、母はこう言った。

「いえ、私もそんな視点が最初から明確にあったわけじゃなくて、自分が無能すぎて充分に我が子に教えてあげられるものがない。けれども与えてあげたいと願うものはたくさんあったんです。例えば、表面的なことよりも内面的、本質的なことを大切にしたい。なんとなくですが、みんなと同じよりも、一味違った個性を大事にしたい。それを汲んでもらえるかどうかが選択の基準になっていたのかもしれません」

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さらにいえば、わが子を最も理解し応援する母だからこそ、息子のこだわりにも付き合える
カルタの絵は5、6回作り直した。ひとつの元素に対して、三つの用途と解説を短く記した文章をまとめる作業も辛抱強く見守った。レウォン君本人が「一番難しかった。苦労した」と振り返るくらいだから、親が書いたほうが早かっただろう。だが、夏休みに毎日図書館に通って10冊もの本を読み比べる後ろ姿を眺め続けた。

妥協せずにやる子どもをそのまま支えることは、実は簡単なことではない

「我慢とかじゃないんですよ。あの子がすることが面白いので、楽しんでいるだけなんです」
小さいころから、何でも手作りした。運動靴を買いに行ったら「気に入ったものが見つからないから」と言って、真っ白なスニーカーを買わされた。好きな色を塗って、自分だけのスニーカーをつくるという。

「えーっ、ありえない! と思ったけれど、やらせました。自分で勝手に作っていくので。こうしなさい、ああしなさい、は言わない。出てくるものが、面白いなあと思いながら一緒にやってきた」

「元素カルタ」を作った後も何度も何度も赤字を加えた

集まらなかったらどうしよう。息子ががっかりしないだろうか。そんな不安を抱えながら始めたクラウドファンディングだったが、たった一日で目標額を達成してしまった。それを見て、パソコンの前で涙ぐむ息子を抱きかかえながら、一緒に泣いた。

「カルタを通して、ひとりでも多くの方に知ってほしい。好き、楽しいという気持ちに寄り添うだけで、こんなに子育てが楽しめますよって」
母が手にしたぴかぴか光る300枚のカルタは、母子の輝く時間を物語っている。

レウォンくんは、クラウドファンディングで協力してくださった方へのリターンに「一緒にカルタ大会」なども加えている
★カルタ制作の詳細や申し込みはこちら→『元素大好き探究少年のプロジェクト。「元素カルタ」で難しい元素を楽しく遊んで学ぼう
★元素カルタの申込み、問い合わせはこちらからも。 polarewon@gmail.com