「売れるカルタ」より
「この子のつくりたいカルタ」にしよう

カルタ作りに寄り添ったのはレウォン君のお母さんだ。一緒にデザイナーさんと打ち合わせしたり、印刷会社を探し回った。ある日、紹介してもらった関連の人から、息子はこうアドバイスされた。
「もっと勉強して。商品化する以上、買い手が欲しくなるもの、カルタとして楽しく遊べるものにしないと受け入れられないよ」

母は苦悩する。
「プロの方の言うことを聞いたほうがいいのかなあ。受け入れるべきなのか、とすごく悩みました。それまでの子育てに自信を失いそうにもなりました」

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私だけでは決められない。決めちゃいけない。だからこそ、レウォンとたくさん話し合わなくては――母子で葛藤した末に、こんな答えにたどり着いた。
立派なカルタをつくりたいわけじゃない。この子のつくりたいカルタを目指そう
それ以来、「こうしたらもっと売れるのに」といった大人の意見とはできるだけ距離を置くようにした。

レウォンくんがまとめた「元素カルタ」の原案。自分で調べて、どんなものを作りたいのか、とても細かく書かれている

「大人の意見を入れてしまうと、子どもは容易に採用してしまうと思います。だから、意見を求められたら、アドバイスはするけれど、すべての決定権はレウォンに委ねようと決めました。私自身、子どもがつくる作品が好きで、このカルタを心からいいなあと思っていたからです」

出来栄えがいいのに越したことはない。だが、子どもがつくるからこそ出てくる味がある。母は、その価値を信じた。それこそが、彼の元素カルタの真骨頂だろう。

レウォンくん自身が作りたいものを作ることに価値がある。お母さんはそう信じた