5月30日 隻眼の生化学者J・アクセルロッド誕生(1912年)

科学 今日はこんな日

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"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1912年の今日、アメリカの生化学者ジュリアス・アクセルロッド(Julius Axelrod、1912-2004)が誕生しました。

ジュリアス・アクセルロッド Photo by Getty Images

実験中の事故で隻眼になりながらも、アクセルロッドは神経伝達物質の研究で業績を残しました。

 

ポーランドからのユダヤ系移民の家系に生まれたアクセルロッドは、ニューヨーク市立大学で学位取得後に医大を目指したものの、ユダヤ人の入学人数制限もあって受験に失敗してしまいました。一時的に市の衛生局に勤めていた彼は、実験室でアンモニアの瓶が破裂して左目を負傷する事故に見舞われます。

これ以降、彼は左が黒く塗られた眼鏡をかけ「隻眼の化学者」として知られるようになりました。

1949年にアクセルロッドは国立衛生研究所に移り、アドレナリンとノルアドレナリンの研究に従事します。彼はこれら2種類の神経伝達物質の研究を通して、神経細胞同士の情報伝達のメカニズムを明らかにしました。

その功績が認められ、アクセルロッドは1970年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

ところで、アクセルロッドは自らの隻眼について聞かれたところ、当時流行りの映画に引っかけて「ブレンダ・スターの彼氏みたいでかっこいいだろ」と答えたそうです。痛ましい経験をも笑い飛ばしてみせる姿勢が、大きな成功につながったのかもしれません。

1988年公開の映画『ブレンダ・スター』。ブレンダ(ブルック・シールズ)とベイジル(ティモシー・ダルトン)の2ショット Photo by Getty Images