多発する「自粛警察」の全貌…背景に「正義の暴走」と「嫉妬の発露」

「非常時だから」で終わらせてはならない
辻田 真佐憲 プロフィール

名古屋市では、大須の商店街連盟事務所に、「コロナを大須から発信するつもりか」「二度と大須商店街へ買い物には行かない」「恐怖」などの苦情がメールや電話で寄せられた(中日新聞、5月3日)。

千葉県松戸市では、営業しているパチンコ店前で、自粛派の市民がマイクを手に「営業やめろ」「帰れ」などと叫び声を上げ、利用客と一時怒鳴り合いになった(朝日新聞、5月5日)。

インターネット上では、コロナウイルス感染が確認されながら、山梨・東京間を移動し、しかもその移動日について虚偽申告したなどとされる女性について、実名や住所を特定する動きが加熱した(毎日新聞、5月5日)。

千葉県八千代市では、駄菓子屋に「コドモアツメルナ。オミセシメロ」との張り紙が張り出された(時事通信、5月9日)。

 

鹿児島県では、スーパーの駐車場で、熊本ナンバーの車に卵が投げつけられた。また別のスーパーでは、熊本県水俣市からの買い物客が「水俣市のもんは水俣で買い物しろ」と言われたという(朝日新聞、5月16日)。

佐賀県では、感染者の家に石が投げられた(佐賀新聞、5月17日)。

ある県では、秋田ナンバーの車で買い物に訪れた男性が、ほかの客より「うちの県に何の用だ」「秋田からコロナを持ってくるな」と言われた(秋田魁新報、5月19日)。

東京・吉祥寺では、商店街に「商店街のすべての店を閉めさせろ」「ほかの店は閉めているのに利益をあげているのは最低だと思う」「人手が多い商店街は武蔵野市の恥」「何考えてんだ馬鹿野郎!」などとの抗議が寄せられた(NHK、5月19日)。

脅迫、中傷、投石など、前回までで「自粛警察」の行動パターンは出尽くしたと思われたたが、卵投げはこれまでなかったのではないか。スーパーで買ったばかりものを発作的に投げたのだろうか。