亡くなった木村花さん(「テラスハウス」HPより)

花さんの死で露見したリアリティ番組の闇…「あいのり」「テラハ」明暗分かれた理由

問われる制作者の配慮、モラル、能力

悲劇の背景にあるのは…

女性プロレスラーの木村花さんが5月23日未明、他界した。享年22歳。捜査当局は自殺と見ている。

木村さんが、なぜ死を選んだのかは本人にしか分からない。ただし、フジテレビが放送し、NETFLIXも配信していた『テラスハウス』(月曜深夜0時25分)に出演したことによって、SNSで激しい誹謗中傷に遭い、これに心を痛めていた。

木村さんの心をえぐるような言葉をSNSで流した人物は法に従って裁かれるべきだが、将来ある若者を守れなかった番組関係者の道義的責任も決して軽くない。

亡くなった木村花さん(「テラスハウス」HPより)
 

リアリティ番組とも称される『テラスハウス』は、古くからある視聴者参加番組でテーマは「恋愛」。同じ屋根の下で暮らす若い男女6人の恋愛模様を点描する。

シェアハウス暮らしが珍しくない時代なので、この番組もシェアハウスを取り入れたが、それを除くと、特に目新しさはない。参加してくれる出演者のキャラクターに頼り切った番組である。

今回の悲劇の背景にあるのは番組制作者の配慮不足だ。そう断じざるを得ないシーンは複数ある。一例を挙げると、洗濯をめぐって木村さんが同居する男性に怒声を浴びせるシーンを流したことである。

このシーンが真実か演出なのかは分からない。だが、このシーンを流せば、木村さんが視聴者から非難されるに決まっている。それは制作者にも分かっていたに違いない。にもかかわらず、そのまま流したのだから、配慮が決定的に欠けている。

万一、制作者が木村さんの受けるであろう非難には目を瞑り、このシーンがあったほうが面白いと考えたのだとすれば、モラルも能力も欠落していることになる。出演者の魅力を出す方法はほかにも数限りなくあるはずだ。