スウェーデンの集団免疫、いよいよ「効果アリ」の声が聞こえてきた

世界も雰囲気が変わってきた
みゆき ポアチャ プロフィール

なので、新型ウイルスの抗体を得ている人は、行動を自粛する必要がない。都市閉鎖に近い状態になっても、広範な抗体検査を実施し、抗体を得ていると確認できた人から順番に、病院や役所や企業や店舗や学校に復帰して働くようにしていく。国民の大半が集団免疫を得た後なら、高齢者が外出しても感染しなくなる。このような方法でウイルス危機を克服でき、安全に閉鎖を解いていくことができる。

これに対し都市閉鎖(ロックダウン)や外出自粛の強要は、感染拡大を一時的に遅らせるが、閉鎖や自粛を解いたら感染拡大が再発するので根本的な解決策ではない。有効なワクチンが存在しない中でのコロナ危機の解決策は集団免疫の獲得だけである。

 

「集団免疫で死者急増」は本当か

多数の人を感染させる集団免疫策は「命を危険にさらす」策だと批判されているが、スウェーデンでのコロナによる死亡率は高くはない。ロックダウンを継続している他の欧州国で、死亡率がスウェーデンよりも高い国はたくさんある。

5月10日の時点で、人口100万人あたりのスウェーデンのコロナ死者数は314人である。

ロックダウンを続けている他の欧州諸国を見ると、人口あたりの死者数がスウェーデンより多い国はベルギー751、スペイン566、イタリア502、英国475、フランス392、オランダ316となっている。3月から完全にロックダウンをした英国と比べても、スウェーデンは好成績だ。

都市閉鎖をしないスウェーデンが、他の都市閉鎖をしている欧州諸国より低い致死率であるということは、スウェーデンの集団免疫策は現段階では成功していると言えそうだ。

https://www.statista.com/statistics/1104709/coronavirus-deaths-worldwide-per-million-inhabitants/ をもとに著者作成)

ちなみに、スウェーデンでの死亡者の87%が70代以上であるが、これは高齢者施設でクラスター(集団感染)が発生したことが主な死因だ。死亡者の多くが高齢者施設に住んでいたことを考えると、ロックダウンをしなかったために死亡者が増えた、と短絡的には言えないだろう。

関連記事