現状を動かすためにも、
生理やピルのこと、もっと話そう

高橋医師は今までも、治療現場やネットなどを通して、低用量ピルについてさまざまな配信を続けてきた。でも、本来知ってほしい人になかなか情報が届かない、というジレンマを感じていたという。

「私は、低用量ピルを強引に飲ませたいわけではありません。また、低用量ピルだけを勧めたいわけでもありません。低用量ピル以外にも、子宮内に装着するIUS(ミレーナ)と呼ばれるものもあれば、黄体ホルモンを接種するジエノゲストという薬剤もやミニピルと呼ばれるものも登場しています。これらの黄体ホルモン単独の薬剤であれば、喫煙者やその他リスクで低用量ピルを処方できなかった人も使えることが多いです。日本はこのような避妊や生理に関する分野が非常に遅れていますが、少しずつですが選択肢は増えています。

それでも、自分から興味を持たないとそういった情報は入手できず、多くの女性たちが、自分のQOLを良くしてくれる方法を知ることができていない現状があります。さらに怖いのはネットで間違った情報を仕入れてしまい、海外のサイトなどから成分が怪しいピルを購入して、怪しい成分で体調を壊したり、避妊できず、といった問題も起きています

今回の論争はそういった意味で多くの人が情報に触れるチャンスだと思っています。みんなが正しく低用量ピルや避妊、生理のつらさを軽減する治療について関心をもってもらう。そういったきっかけになればと思うのです」(高橋医師)

ピルの使用率が2.9%という現状から脱却するためにも、毎月ある生理に無理解な社会や男性に憤るだけでなく、男性も社会も巻き込んで語り合うことが必要だと思う。生涯450~500回もある月経をいかに快適に過ごすのか。これをチャンスと思わなくてはもったいない! と思うのだ。

男性に言われたくないと反撃するよりも、男性も巻き込んで、変えていく。その時期が来ているのかもしれない。(人物は本文には関係ありません)photo/Getty Images