月経周りの不調でなんと、
年間約6828億円も損失が!?

「私も今回、産婦人科医として“低用量ピル”が話題になったのは、ある意味とてもいいこと。プラスに思っています。堀江氏の主張は現時点でどう評価すべきかはわかりませんが、今まで低用量ピルについて、産婦人科医として伝えてきても一部の人にしか伝わりませんでした。でも、影響力がある人が発言したことで、興味があった人もなかった人も、“低用量ピル”に関心を持ってくれる可能性がある。こんなときだからこそ、正しくメリットもデメリットを知ってほしいと思うのです」

生理のつらさは個人差が大きく、痛みがひどい人はトイレで倒れてしまうことも。photo/Getty Images

こう語るのは、youtuberで、現役の産婦人科医として大学付属病院に勤務している高橋怜奈医師だ。高橋医師は、堀江氏の件についてもいち早く、ピルとは何か、ピルのメリットデメリットについてなどわかりやすく動画やSNSなどで配信もしている。動画では、月経困難症などの社会的損失についても詳しく説明している。

「月経症状と経済損失の研究はかなり多くの調査データが存在しています。民間や大学などのデータを総合しても、約8割以上の女性が毎月の生理で下腹部の痛み、頭痛、下痢、気分の変動などでつらさを体感しているというデータがあります。少し前の2013年の調査では、月経随伴症状に悩む女性たちによる経済的負担額が年間約6828億円と推計しているものもあります(バイエル薬品:日本人女性約2万人の調査結果)。

治療現場でも、大事なプレゼンがあるのにつらくて出社できない、生理痛がひどくて学校に行けない、受験に影響しないか心配といった声も少なくありません。生理でつらければきちんと休める労働体制にしていくことも必要ですが、このつらさは、低用量ピルを活用することで、軽減することも可能です。これを機会にそのメリットをぜひ知ってほしいと思うのです」(高橋医師)

ただ、今回、SNSの書き込みなどを見て感じたのは、低用量ピルという名前は知っていても、避妊薬以外の役割を知らない人が意外と多かったのだ。さらに、ピル=副作用という先入観を持っている人もまだまだ多いように感じた。正しく低用量ピルを知るためにもそのあたり含めて、低用量ピルのメリットとデメリットを高橋医師に解説してもらおう。

高橋怜奈医師
女医+所属。東邦大学医療センター大橋病院・婦人科在籍。趣味はベリーダンス、ボクシング、バックパッカーの旅。2016年6月にボクシングのプロテストに合格をし、世界初の女医ボクサーとして活躍中。低用量ピルを始め、婦人科領域の情報を中心にわかりやすくyoutubeでも情報配信している。
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