ハンコは廃止して「ブロックチェーン」を活用せよ!電子署名ですら20年古い

日本の業務処理は衰退の元凶だ
野口 悠紀雄 プロフィール

ハンコの代わりにブロックチェーンを

一方で、ブロックチェーンを用いる契約の技術は、長足の進歩を遂げている。その代表が、エストニアのシステムだ。

2002年にe-IDカード(エストニア版マイナンバーカード)を提供開始した。ここにはICチップが組み込まれており、物理的な身分証明書の役割とともに、電子サービスを利用する際のデジタルIDとして機能する。つまり、これは、「デジタル印鑑」だ。

その普及率は約98%と、ほぼ全ての国民が電子署名可能なIDを所有している。そして、日常で署名するほとんどのケースにおいて電子署名が活用されている。

現在では99%の行政申請がオンライン化されている。e-IDカードと連携したサービスは2700超になり、電子契約は、「インフラ」として日々の生活に溶け込んでいる。

電子署名の有効期限は年間のものが多かったが、ブロックチェーンを用いることで半永久的に記録することが可能となった。

日本でも、ブロックチェーンを用いたさまざまサービスがすでに登場している。例えば、つぎのようなものがある。

・エストニアのシステムを用いるe-sign
・株式会社ケンタウロスワークスが、ブロックチェーンを利用した電子署名システム「電子実印」を開発した。「ハンコの代わりにブロックチェーンを」としている。
・BiiLabsは、ブロックチェーン技術を統合した電子署名システムをKdan Mobileと共同発表した。
・合同会社Keychainは、デジタル署名を更新しても過去の署名の本人性有効性を証明できる「長期署名」を、ビットコインなどのパブリックブロックチェーン上で実現した。

 

日本政府は、こうした新しい技術の進展に背を向け、なぜ20年も前の電子署名のシステムにこだわり続けているのだろうか?

失敗は、マイナンバーだけではない。