もっとも大きな障害は、電子署名を用いる政府のシステム「e-Gov電子申請システム」が、きわめて使いにくいものであることだ。
電子申請とは、紙によって行われてきた申請や届出などの行政手続を、インターネットを利用して行えるようにするものだ。
「e-Govは使いにくい」「紙のほうが楽だ」という声が圧倒的だ。なぜか? まず、電子署名が必要な場合は、上記の電子認証を事前に取得する必要がある。
このほかにも、つぎのような意見がある。
こうして、結局は、所轄の事務所へ行くことになる。
前回も述べたように、10万円定額給付で、マイナンバーを用いたオンライン申請が可能になったが、住民基本台帳との照合作業が必要となり、「オンラインより郵送の方が速い」という信じられないような事態となっている。
「オンラインの仕組みを作ってみたものの、うまく機能しないので、紙とハンコの仕組みのほうが速く処置できる」というのは、マイナンバーだけに限った問題ではなく、政府のオンラインシステムに共通する問題なのだ。