ハンコは廃止して「ブロックチェーン」を活用せよ!電子署名ですら20年古い

日本の業務処理は衰退の元凶だ
野口 悠紀雄 プロフィール

e-Gov電子申請は使いにくいので使われていない

もっとも大きな障害は、電子署名を用いる政府のシステム「e-Gov電子申請システム」が、きわめて使いにくいものであることだ。

電子申請とは、紙によって行われてきた申請や届出などの行政手続を、インターネットを利用して行えるようにするものだ。

「e-Govは使いにくい」「紙のほうが楽だ」という声が圧倒的だ。なぜか? まず、電子署名が必要な場合は、上記の電子認証を事前に取得する必要がある。

このほかにも、つぎのような意見がある。

・どのPCでも利用できるわけではない。Macでは使えない
・個別機関の申請用ソフトでは電子申請できない。個別ソフトで作成した申請ファイルをCSV形式でいったん保存し、別にe-govを立ち上げて添付ファイルとしてe-govで電子申請する必要がある。
・何度使っても手順が複雑で分かりにくい。エラーが多発し、なぜエラーになるのかが分かりにくい。エラーになると返戻されて、また同じことを繰り返す必要があるので、時間がかかる。
・逆に、様式変更時における様式違いがあっても、アラートが出ることもなく申請ができてしまったりする。また、電子署名すべきものとしなくてもよいものの区別がわかりづらい。このような状態で申請そのものは完了したとしても、数日経過した後に返戻通知が届いたりする。このため、提出期限に間に合わなかったりする。
・コールセンターが込み合っているので、問い合わせの電話が、相談員にスムーズに繋がらない。

こうして、結局は、所轄の事務所へ行くことになる。

 

前回も述べたように、10万円定額給付で、マイナンバーを用いたオンライン申請が可能になったが、住民基本台帳との照合作業が必要となり、「オンラインより郵送の方が速い」という信じられないような事態となっている。

「オンラインの仕組みを作ってみたものの、うまく機能しないので、紙とハンコの仕組みのほうが速く処置できる」というのは、マイナンバーだけに限った問題ではなく、政府のオンラインシステムに共通する問題なのだ。