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コロナ封じ込め成功?「日本モデル」とは何だったのか、その意義と成果

これからのコロナ対策に向けて

4月25日、延長期間を含めて1.5カ月間続いた「緊急事態宣言」が解除された。安倍首相は、会見において、「日本モデルの力を示した」と述べた。

3月半ばから、日本のやり方には「日本モデル」と呼ぶべき特性がある、と論じてきた私としては、緊急事態宣言が成果を収めて終了したことを、素直に祝福をしたいと思っている(参照「コロナとの戦いに『第三の道=日本のやり方』はあるか」「『密閉・密集・密接』の回避は、『日本モデル』の成功を導くか」)。  

『現代ビジネス』でも何度か「日本モデル」について論じさせていただいた(参照「新型コロナが欧米社会を破壊…『日本モデル』は成功するのか」「緊急事態宣言延長で問われる『日本モデル』その強みと弱み」)。緊急事態宣言の解除のタイミングで、あらためて「日本モデル」について考えてみたい。

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「日本モデル」は緊急事態宣言をへて固まった

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は、3月19日の『新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言』において、次のように述べた。

「我々としては、『3つの条件が同時に重なる場』を避けるための取組を、地域特性なども踏まえながら、これまで以上に、より国民の皆様に徹底していただくことにより、多くの犠牲の上に成り立つロックダウンのような事後的な劇薬ではない『日本型の感染症対策』を模索していく必要があると考えています」

 

3月19日に萌芽的に「専門家会議」が語った「『3つの条件が同時に重なる場』を避けるための取組」が、後に「三密の回避」というフレーズとなった行動変容のメッセージである。わずか2カ月の間で、「三密の回避」は、日本国民で知らない者はいない、というくらいに定着した。

「三密の回避」は、「日本モデル」の象徴だ。厳しいロックダウンや杓子定規のソーシャルディスタンスといった欧米由来のカタカナ用語でなく、誰でも覚えられる日本語のフレーズで、要領を踏まえた感染拡大予防の秘訣を、国民に示した。これほどの成功は、商業分野でもめったにない、というくらいの大成功例だろう。

これは「専門家会議」の大きな功績だが、3月19日の段階でまだようやく「専門家」たちはぎこちない表現で「『3つの条件が同時に重なる場』を避けるための取組」を語っているだけだった。政府関係者か、広報につなげた担当者の大功績で、「三密の回避」という強力な標語ができあがった。