日本がコロナ禍で、結局「医療崩壊」してしまった理由

そして、いまからでもできる緊急対策
伊藤 周平 プロフィール

前にも述べたとおり、韓国のPCR検査は日本の60倍、ドイツは日本の17倍の検査数である。安倍政権は、検査の人員が足りない、防具が足りないと言い訳しているが、韓国やドイツでも事情は一緒であり、必要な予算をつければ、大学病院の支援など検査体制の拡充は十分図れるはずである。検査体制が拡充されるまでも、早急に新型コロナ感染疑いの発熱外来を設置し、従来の一般患者対応との役割分担を明確にする必要がある。

〔PHOTO〕Gettyimages

第2に、不足している医療用マスク、消毒液、フェイスシールド、防御服を国の責任で確保、製造し、医療機関に安定した供給ができる体制を構築すべきである。

第3に、診療所など医療機関に対して、感染者が発生した場合の減収、および外来患者の減少に伴う損失を補償すべきである。診療報酬上は、人口呼吸器などを使う重症患者を集中治療室(ICU)で治療した場合の入院料を1日16万~28万円に倍増(のちに3倍)、人員配置に応じた加算として1日1万円上乗せするなどの特例措置が取られている。

しかし、集中治療室で人口呼吸器が必要な重症患者には常に医師が複数関わり24時間体制で、患者1人に看護師も含めて医療従事者が10人ぐらい配置する必要があるが、現状では人手不足で、同一医師などが連続勤務して疲弊している。

 

また、医療機関が新型コロナの患者を受け入れると、一般患者と別にするため1病棟すべてを開ける必要があり、1病院の減収は月1億以上との試算もあり(一般社団法人全国公私病院連盟調べ)、この程度の診療報酬の引き上げでは全く足りない。また、医療従事者が新型コロナに感染した場合は労災とともに独自の補償の仕組みが必要である。

第4に、重症患者の集中が予想される感染症指定医療機関に対しては、国が物的・人的支援を強化し、軽症者については、容体が急変することもあることを考慮し、医師・看護師が常駐する施設での療養を原則とするべきである。その前提として、前述の公的・公立病院の再編リストは撤回し、病床削減計画は凍結すべきだろう。

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