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日本がコロナ禍で、結局「医療崩壊」してしまった理由

そして、いまからでもできる緊急対策

【前編はこちら】

検査体制の不備で医療崩壊

新型コロナの感染拡大は、前編で述べたような日本の医療政策がもたらした医療体制の脆弱さを可視化した。これに安倍政権の失策が重なり、医療崩壊が現実化している。

新型コロナの感染拡大を防止し、早期発見、早期治療につなげることで重症化を防ぎ、さらに医療崩壊を防ぐためには、症状が出た人が感染しているかどうかの見分けがつくよう検査体制の拡充が不可欠だ。

現行の仕組みでは、医師が当該患者の検査が必要と判断しても、「帰国者・接触者相談センター」(保健所)を介してでないと、PCR検査(ポリメラーゼ連鎖反応検査)が受けられないが、前編で述べたように、数も人員も減らされてきた保健所は、相談者の急増で「電話がつながらない」「高熱があるのに、検査まで何日も待たされた」など、すぐにパンク状態に陥った。

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また、厚生労働省の事務連絡にあった「37.5度以上の発熱と呼吸器症状」などの検査の目安が、最近まで保健所の業務マニュアルに踏襲されていたため、目安が実質的な要件になり、この目安に該当しない人は(たとえば、味覚がなくなるなど典型的な症状が出ていても)、たとえ医師が検査必要と判断しても、保健所段階ではねられPCR検査が受けられない事例が続出した

2020年5月8日に、発熱等の目安は外されたが、保健所などの体制強化は図られず、必要な検査が迅速に受けられない状態は続いている。

かくして、日本の検査件数は、人口100万人当たりで117人にとどまり、ドイツ(2023人)の17分の1、韓国(6148人)の60分の1と、極端に少なくなっている(オックスフォード大学のグループの推計。2020年4月時点)。検査が極端に少ないことで、感染の拡大がみえにくくなり、軽症や無症状の感染者が感染を広げ、感染経路不明の感染者が増大した。