日本政府はなぜ、どれだけ「病院」と「病床」を減らしてきたのか

そして、これからも減らすつもりです
伊藤 周平 プロフィール

とくに、1994年に保健所法が地域保健法に改められ、担当地域が広がり、統廃合が進められた結果、保健所の数は、2020年には、全国で469か所となり、1992年の852から半減している(厚生労働省地域保健室調べ)。大阪市をはじめ、横浜市、名古屋市、北九州市などの政令指定都市では、各区に1か所ずつあった保健所が、現状では市全体で1か所しかなくなった。

 

歴代自民党政権の公費抑制政策のもと、とくに、2000年代初頭の小泉政権のもとで「行政の効率化」がはかられ、経済的利益を生まない(だからこそ公的責任で担うべきなのだが)公衆衛生は軽視されるようになった。

保健師の役割も公衆衛生から国民の健康づくりの推進、生活習慣病対策に重点が置かれるようになり、2008年からの特定健診・特定保健指導では、結核検査が外され、糖尿病検査が入れられた。公的責任による感染症対策がおろそかにされ、保健所機能が大きく低下させられてきたといえる。

【後編は5月30日公開】

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