5月29日 こんにゃくの日

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1989年、一般財団法人日本こんにゃく協会と全国こんにゃく協同組合連合会が、5月29日を「こんにゃくの日」と記念日に制定しました。

 

5と29を「こんにゃく」と読む語呂合わせから着想された日ではありますが、「5月にこんにゃく芋の作付けがある」ことと、「本格的な夏を迎える前に、こんにゃくの効用や機能性を再確認して健康に過ごしてほしいという願い」もこめられていると、日本こんにゃく協会では説明しています。

このこんにゃく芋、東南アジアに広く分布していたものが、古代日本に整腸の薬効があるとして伝来し、鎌倉時代には食用となりました。ただし、生では強烈なえぐみがあるので食べられません。

こんにゃく芋 Photo by PhotoAC

このえぐみの正体はシュウ酸カルシウムやフェノール誘導体ですが、これを中和するために、先人はアルカリ性の強い「灰汁(あく)」を使いました。いわゆる「あく抜き」ですね。

ところが、日本で栽培されるようになったこんにゃく芋には、水溶性植物繊維「グルコマンナン」が多く含まれています。このグルコマンナンが、アルカリ性物質である灰汁と反応することで、あのプリプリとした食感が生み出されたのです。

とはいえ、こんにゃく芋は腐りやすかったので、収穫期である秋にしかこんにゃくを作ることはできませんでした。

庶民も広くこんにゃくを食べられるようになったのは江戸時代中期のこと。1776年、常陸国(現:茨城県)の中島藤右衛門(1745-1825)が乾燥した粉からこんにゃくを作る方法を発見したことで、一年中こんにゃくを作ることが可能となったのです。

こんにゃく畑 Photo by iStock

こんにゃく芋も栽培の難しい作物で、種芋から生長するまで2~3年かかる上に、葉に傷がつくだけでも病気になってしまいます。そのため、日本でも1955年ごろまで安定した栽培法を確立することができませんでした。

その後、北関東の気候や土壌ならば安定した収穫が見込まれる品種改良が進んだことで、群馬県などがこんにゃく芋の名産地となっていきます。