コロナショック「地域金融機関への連鎖」という未曾有の危機に備えよ

飲食・小売り・観光から波及して…
高田 創 プロフィール

バブル崩壊時を振り返る

バブル崩壊時には「バブル3業種」とされる業種が注目されたが、その背景にはなにがあったかを改めて確認したい。

図表2は、1998年度の企業の業種別財務状況を示している。ここでバランスシート調整の問題を把握するためには、有利子負債の金額(借入金と社債等の合計)とキャッシュフロー(当期利益と減価償却の合計)のバランスを考える必要がある。

具体的指標として、債務償還年数と債務圧縮必要額が重要であり、バランスシート調整が進展すれば両指標は低下する。

ここで債務償還年数は有利子負債残高をキャッシュフローで割った数字である。債務圧縮必要額は、債務償還年数を10年(不動産業は20年)と仮定した場合にその10年分(不動産業の場合20年)のキャッシュフローを超える有利子負債の金額として算出しており、当時の「バブル3業種」が過剰債務に陥っていたことを示している。

このような考え方は筆者が1990年代に銀行の審査部でクレジットアナリスト業務に従事していた時に個別企業の判断にあたって基本的に用いていたものだが、1990年代後半にマクロ的にも債務調整を判断するバロメーターとして重視してきた概念でもあった。

2003年に不良債権処理の加速を目指して産業再生機構が発足したが、同機構が企業を支援する際の判断基準として「債務残高が営業キャッシュフローの10倍以内」としていたのも同様のスタンスであったと考えられる。

 

図表2 業種別債務状況